575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

冬の虫        (愚足)

2005年12月26日 | Weblog
 友の庭に冬蝶を見てから、冬の虫の句が気になり歳時記を読んでみました。
 冬の蝶・蜂・蝿・蚊・蛾・虻・蝗・蟷螂そして綿虫・ざざ虫と多くの虫が季語に
なっていました。
 冬の虫と言えば、声・様子ともに哀れで句作の興味を惹く存在です。
 その筆頭に村上鬼城の 「冬蜂の死に所なく歩きけり」があります。歳時記に載せられたほとんどの句が「哀れ」をテーマにしたものでした。しかし その中にあって、ほっと出来る句も僅かながらあり勇気付けられました。

   冬蝶の高舞ふちから滝行場        鍵和田秞子
   凍て蝶のきらめき渡る山湖かな      中川宋淵
   冬の蝿ゐて憎からず母来る日       池田弥生
   批評うるさしや野壺に冬の蝿       鷹羽狩行
   歩くのみの冬蝿ナイフあれば舐め     西東三鬼
   冬の蜂尻を耀らし爆心地         岸風三楼
   雪虫に生殖の意を見つつ臥す       軽部鳥頭子
   雪虫や子を呼びに出て雪深き       原田種茅

 しかし、出来た句は「黄の翅を陽に透かしおり冬の蝶」(愚足)でした。
                          
      
コメント (1)
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