575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

このごろは絵筆をとらず春逝きぬ     コンラッド・メイリ

2006年03月13日 | Weblog
 写生と言えば画家が気になる。
 画家で俳句をする人は多いと聞く。

 気になったのが、スイス人の「コンラッド・メイリ」。
 スイス人画家で夫人はフランス系の日本人。二人は二次大戦直前に日本の観光局に招かれ来日する。戦争で帰国出来なくなり、戦時中の鎌倉で帰国を待つ。その間
日本の学生に絵を教えるがスパイ容疑で留置され虐待を受け夫人共々身体を壊して釈放。1949年に帰国。ヨーロッバで日本文化とりわけ俳句の理解に貢献する。
 彼は、来日前からの親日派画家で渡欧中の虚子にも会い句作をよくしたと言う。彼の句には、タイトルの句のほか
  とらわれの記念日寒く菊の雨
  紅葉に故国の旗の色思ふ
  法師蝉帰国思へば遠く鳴き
など境涯を詠んだ句ガ多く
  遊船の冬暖かきパリの旅
  雲と住む峠の池の蛙の子
  レマン湖のかたえの庵菊根分
  つかの間の雹や葡萄の花を摧く
などがある。
 帰国に際し、戦時中の屈辱ばかりでなく、日本の誇りと美しさの自覚を訴えた
と言う。                  
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする