はな、といえば”櫻”いも、といえば”里芋”・・俳句や短歌での決まりのようですが、私にとっていもといえば「サツマイモ」。
あのねっとりとした甘味は好きにはなれないけれど、戦中戦後の食料難には、貴重な食べ物でした。
今でこそ、その栄養価や働きが高く評価されていますが、当時は収量さえ多ければと、奨励されていた農林2号。それはひどい味でした。
それでも生イモがたべられればいい方。イモ粉、干しイモ、イモ蔓、イモの葉と多彩。
そのころ、母は農家から僅かな土地を借りて、5人の子どものために、慣れない畑仕事をしていました。
その一隅に植えられていたのが、赤い肌の金時芋、大きく育ったら食べようね、と丹精していました。
そこへ、8月15日の敗戦。
明日はどなることやら。
「あのイモ食べちゃおう」
母の決断は早かった。まだ大人の親指ほどの新イモ。
おいしかったなー。初々しい薄紅、さわやかな甘味、敵機の来ない青い夏空・・筋ばっていたけど、かけがえのない味。忘れられません。
兄弟の多かりし世のさつまいも 加津夫
(鳥野)
あのねっとりとした甘味は好きにはなれないけれど、戦中戦後の食料難には、貴重な食べ物でした。
今でこそ、その栄養価や働きが高く評価されていますが、当時は収量さえ多ければと、奨励されていた農林2号。それはひどい味でした。
それでも生イモがたべられればいい方。イモ粉、干しイモ、イモ蔓、イモの葉と多彩。
そのころ、母は農家から僅かな土地を借りて、5人の子どものために、慣れない畑仕事をしていました。
その一隅に植えられていたのが、赤い肌の金時芋、大きく育ったら食べようね、と丹精していました。
そこへ、8月15日の敗戦。
明日はどなることやら。
「あのイモ食べちゃおう」
母の決断は早かった。まだ大人の親指ほどの新イモ。
おいしかったなー。初々しい薄紅、さわやかな甘味、敵機の来ない青い夏空・・筋ばっていたけど、かけがえのない味。忘れられません。
兄弟の多かりし世のさつまいも 加津夫
(鳥野)