575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

「芋茎」に嵌ってさあ大変。        愚足

2006年09月18日 | Weblog
 句会が迫っていますがそうなると益々脱線したくなる悪い癖。
 「芋」より「芋茎」が気になりだして調べてみると。

加藤清正は熊本城築城のとき、戦に際してのあらゆる場合を考慮して、畳の床にまで乾燥させたズイキを使い、籠城の際の貯蔵食にあてたとはたいした知恵者ですあったと書かれています。

また時代は下って江戸の街。池波正太郎の「剣客商売」の一節に、

老僕の権兵衛が、軽い中食(ちゅうじき)を出す。
にぎりめしへ味噌をまぶしたのを、さっと焙(あぶ)ったものと、
芋茎と油揚げを煮た一鉢。塩漬けの秋茄子などの簡素な中食であったが、
「うまいぞ、権ちゃん」
「あれ、また、権ちゃんといいなさると」
「お前のような人に食べるものの世話をしてもらって、
 ここの旦那はしあわせじゃな」

 と書かれていて、芋茎はアクだしをして油揚げと煮付けるのが定番の様。
 一度「芋茎料理」に挑戦してみようと思ったりしています。

 最後は「芋茎」の名句を

山国の日のつめたさのずゐき干す      長谷川素逝
母が切る芋茎は水をためてをり       萩原麦草
芋茎干す歩危には広き岩畳         酒井黙禅
板の間に芋茎一束雨が来る         廣瀬直人
宿坊の深き廂や芋茎干す          塚田かをる

                     
コメント (1)
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