芭蕉は元禄7年(1694)に、大坂で亡くなっています。
51歳でした。
100回忌には、神祇伯白川家から「桃青霊神」という神号を授けられ
神様に。
300回忌には、奥の細道ブーム、俳聖芭蕉というイメージ商品に。
神様になったり、俳聖とされたことによって
芭蕉の句も、当初とは違った読み方がされるようになります。
古池や蛙とびこむ水のおと
この句の古池は、江戸大火で死体の浮いていた池だったのですが、
枯淡の境地を表す、聖なる池と考えられるようになって行きます。
「悪党芭蕉」というタイトルは、芭蕉を聖人から俗人に戻して
読み直そうという試みで、書かれた本でした。
深川に隠棲したのも、俗世間を逃れてではないようです。
どうも身内に、あぶないことがあって、隠棲せざるを得なくなったとか。
名古屋の俳人、杜国は美青年で、ホモセクシャルだったとか。
うーん!そうだったのか。
芭蕉といえば、神様とは思いませんが聖人のように
思っていましたから、面白い本でした。
でも、そうのほうが、句はみじかに感じられました。