575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

石のしたしさよしぐれけり 井泉水

2012年01月05日 | Weblog
東福寺の門前に天得院という小さなお寺がありました。
荻原井泉水(せいせんすい)の句碑があるということ。
門から覗いていたら、お寺の方が案内して下さいました。

井泉水は、大正十一年に、自由律俳句「層雲」を主宰。
しかし翌年に妻、さらに母を亡くしています。
この頃、京都の天得院に住んでいたとのこと。

  佛を信ず麦の穂の青きしんじつ

西国巡礼をして弔いの日々を送ったころの句でしょうか。
こんな句もあります。

  空を歩む朗々と月ひとり

自由律俳句を唱えた井泉水らしい良い句です。

  石のしたしさよしぐれけり

命の儚さが身にしみたためでしょうか・・・
時雨に濡れる石に親しみ、というか、
命を感じているようです。

自由律俳句は、今はあまり盛んではありませんが、
これも俳句の一つのあり方。
先人たちが試行錯誤しながら築いてきた詩のカタチだと思います。
捨てずに継承していきたいと思います。

                     遅足


コメント
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