575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

三日はや双手を垂れて疲れけり    石田あき子

2013年01月06日 | Weblog
昔のお正月は女性にとって大変でした。
三日にもなると、疲れきってしまったという句。
作者は、石田波郷の奥さん。
病気の夫を支え、二人の子供を育てあげ、句も作った人。
どんな時に俳句をつくるのですか?と聞かれたあき子さん。

「俳句をつくる時間なんてありません。
机に向かったり、手帳を持って自然を見たこともありません。
洗濯をしたり、掃除をしたり、風呂を焚いたり、
主人の買ってきた植木の世話をしながら、
ひとりでに心に浮かんでくる思いを、
句にするともなく作っているだけです。」

 声出して己れはげまし水を打つ

 植木屋に嵩む払ひやきりぎりす

 夜のいとど夫婦が交はす言短か

あき子さんにとって俳句は生活の独り言だったのですね。

      「一句百景」(小島正二郎)より。

我が家のお正月は、帰ってきた息子との3人。
その息子も今日、東京へ。
また、二人の生活が始まります。    遅足

コメント
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