575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

謡曲「井筒」のフレーズを拝借して①     遅足

2013年02月15日 | Weblog
今朝の名古屋は雪ではなく雨。春の雨でした。  

  春の雪見見えし人の懐かしき

一昨日、このブログに掲載した句です。
中七は、謡曲「井筒」のなかのフレーズを拝借したものです。

井筒は、伊勢物語に題材をとった謡曲です。
業平を慕ってこの世に現れたシテの女が、恋しさのあまり
恋人の着ていた冠・衣装を身に着けて舞う場面で終ります。
そのクライマックス。
女が井戸の水に映った自分の姿を、恋しい男だと思う箇所。

さながら見見えし昔男の冠直衣(かむりなおし)は
女とも見えず男なりけり

(親しく相逢った昔男(業平)の冠・直衣を身に着けた
我が姿は、全く女には見えず、男の姿。
井筒に映る我が姿に業平の面影が偲ばれるよ。)

古典の言葉「見見えし」を使ってみたかったのでつくった句です。
あまり成功しているとは思えませんが・・・


                 
コメント
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