575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

「体臭」喜劇      遅足

2013年02月23日 | Weblog
NHKーBSの「山田洋次監督の選んだ喜劇映画100」。
録画して観ています。
先日、観たのは、上原謙主演の「ありがとうさん」。
戦前の伊豆。天城街道を走るバスの運転手(上原謙)と、
身売りされていく娘との恋を軸に、
乗客や街道をゆく人々の姿を描いた作品。
道をよけてくれる人びとに、「ありがとう」と声をかける。
そこで「ありがとうさん」と呼ばれているハンサムな運転手。
不景気の時代にほのぼのとした後味の良い映画でした。

体臭喜劇というのは、そのなかの一本「女は度胸」。
昭和40年代初頭の東京。羽田空港近く。
主人公は、町工場で働く河原崎健三。
父の花沢徳衛と兄の渥美清は、飲んだくれて掴み合いの喧嘩の毎日。
母の清川虹子は、黙々と内職を続けるばかり。
鉄工場で働いている健三は、近くの電気工場で働く倍賞美津子と恋仲に。
文学青年の健三は恋人にゲーテの詩集を贈ります。
ところがこの詩集、美津子の友達(アルバイトでコールガールをしている)から
渥美清に渡ったことから、恋のドタバタが始まります・・・
最後は清川虹子の度胸で一件落着。

映画が終って、小野アナウンサーの一言。
「大衆喜劇という言い方があるとすればこの映画は体臭喜劇ですね」。

たしかに画面から汗と涙、体臭が伝わってくる映画でした。
とくにダンプカーの運転手を演ずる、兄の渥美清は「体臭」役者。
人間臭さそのままの役柄でした。

そういえば、何時の頃からか、消臭剤が普及。
臭いが日本から消えていきました。
臭いのあった昔を懐かしんだひと時でした。


コメント
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