575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

小さいおじさん      遅足

2014年01月02日 | Weblog
おじさんが3人いました。皆、母方のおじさんです。
一番上の叔父は徴兵で陸軍に。出征して間もなく中支で戦死。
私が生まれる前のことです。

二番目のおじさんは海軍へ。乗っていた艦船が魚雷で真っ二つに。
沈まなかった方にいて無事でした。農家の跡を継ぎました。
「大きいおじさん」と呼んでいました。

一番下のおじさんが「小さいおじさん」です。
終戦の日に私を背負って玉音放送を聞いたそうです。
とても可愛がってもらいました。

  旅終へて訃報三つ待つ枯木立   佐保子

この訃報の一つが「小さいおじさん」でした。
スーパーに買い物行って転倒。
胃の中の食べ物が肺に入って肺炎に。
そのまま帰らぬ人に・・・・

一年半ほど前におじさんの家に行きました。

  叔父さんは宇宙の旅に発つらんか いつまでも振るさよならの手を

車のバックミラーの中のなかの叔父さんを詠んだ歌です。

さようなら小さいおじさん。

コメント
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