575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

晩年の一茶       遅足

2014年01月06日 | Weblog

  これがまあ終(つひ)の栖(すみか)か雪五尺

一茶の句です。江戸での生活に見切りをつけた一茶は故郷に。
雪深い柏原の宿です。
遺産相続をめぐって、弟と争い、家と田畑の半分を得ます。
52歳で28歳のきくと結婚、子供も生まれました。
しかし子供たちは夭折、妻も亡くします。
この後も2回結婚していますが、家庭の幸福には恵まれませんでした。

  雪とけて村いっぱいの子どもかな

一茶は克明な日記を書いて、閨房(けいぼう)の記録をも残しています。
家庭的な幸福を求めたのでしょうか。精力絶倫というのでしょうか。
なかには、白昼4交におよぶとも。

晩年、脳卒中で半身不随になりますが、なお意欲は盛んだったとか。
65歳で亡くなっています。
一茶の晩年を想像すると、とても枯れた生活とは思えません。

  冬枯れて墨に描かる一茶かな   結宇

とても人間臭く生きた一茶。
この句では、一茶が冬枯れの中に墨絵で描かれています。
芭蕉なら墨絵が似合いそうですが、一茶はどうでしょう?
それを一句に仕立てたところが作者の狙いかも知れません。


コメント
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