575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

長いお別れ   麗

2018年05月03日 | Weblog
GWいかがお過ごしですか?
私は本を一冊読みました。

中島京子の「長いお別れ」。元中学校校長の認知症の父をめぐる10年の家族の物語。老々介護をする母。娘三人のそれぞれの生活と葛藤。

切なくも介護現場で必ず見られる笑いがちりばめられた介護小説です。
二人住まいの老夫婦に訪れるさまざまな問題。娘たちは海外に住んでいたり、仕事第一であまり頼りになりません。身につまされます。
でもなぜか救われるラストです。
「長いお別れ」の意味も解ります。

私も実家の90歳の父と85歳の母の様子と照らし合わせて読みました。
2ヶ月入院していた母は、来週から施設に入ることになりました。圧迫骨折の父は一人淋しそうですが、兄嫁につきそわれ車いすで見舞いに行きます。母があんなに嫌がっていた施設入所を「楽しみだわ~」と言っていることに救われます。
父も丸三年の介護生活。本当によくやったと思います。

いろんなことを考えさせられた、でも読後感が爽快な一冊です。
コメント
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