昨日は夏日の中での句会でした。7名の参加でした。おしゃべりもにぎやかにいろんな夏が飛び出しました。
では一言講評です。
題詠「夏」
①若きらの胸の谷間の夏めきぬ
西東三鬼の「おそるべき君等の乳房夏来る」を彷彿とさせる一句。若い女性のまぶしさを「夏めきぬ」で品よくまとめました。これを口に出すとセクハラと言われる世の中です。
②近年の縁なきものに夏痩など
「など」がいいですね。夏痩せの他に近年縁のないものは?話が膨らみました。女性票獲得!
③レコードに傷B面の夏の恋
B面の恋は、人知れず実らなかった恋でしょう。レコードの傷と心の傷がマッチします。黛まどかさんの「B面の夏」という本を思い出しました。
④夏の夜不慣れなベッドより落ちる
こんなこと、確かにあります。ユーモアあふれる軽快な一句。
⑤初夏の風の甘きや発情す
「発情す」が強すぎたのかも?でも性を超えた全ての命が輝き、活動的な夏です。
⑥掃除機で連休を吸う立夏かな
トップ賞でした!
連休を掃除機で吸うという表現は秀逸。GWが終わってたまったホコリを一気に吸いながら今年のGWを振り返ります。どこにもいかず掃除に専念したと詠んだ人も。
⑦夏めくや修道院のマリア像
新緑に包まれたひんやりした修道院。多治見修道院で作りました。マリア像だけで修道院はいらないというアドバイスあり。
⑧夏立つや書店の棚の素十句集
情緒を排除した写生句を作った高野素十。ホトトギス派の4Sと言われます。季語と句集の取り合わせの妙。
⑨赤子泣き命をつなぐ夏木立
力強い赤ちゃんの泣き声は、脈々と受け継がれる生命力に満ち満ちています。
⑩金看板幾世(イクヨ)洗ひし夏嵐
「金看板」がどこのものかわかるとよりよいかも?世代を超えて風雪に耐えて。。。
⑪軒下の鉢植え野菜夏に入る
身近な物に夏を感じる感性。鉢植えはミニトマトかなすびか?下町情緒も感じられます。
⑫夏の風邪同情引かぬ悪寒かな
「悪寒」が季語と少し合わないような。どんな風邪にも同情して欲しいですね!
⑬夏向きの頭に刈られ新僧侶
青々した若々しい僧侶の頭。丸坊主に夏向きも冬向きもないのでしょうが、川柳のようなユーモラスな一句です。
いかがでしたでしょうか?
来月は6月20日YWCA301号室で開催します。
お題は「さくらんぼ」です。
遅足さんの自由句に触発されて決まりました。
どんなさくらんぼが詠まれるでしょうか?「黄色いさくらんぼ~♪」麗