575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

新年らしい初句会   麗

2019年01月24日 | Weblog

平成最後の初句会。お風邪で狗子さんはお休みでしたが、8名の参加でにぎやかに。晴代さんがお菓子を差し入れてくださりおいしいコーヒータイムとなりました。新年にふさわしい楽しい句会。さまざまな新年の様子がうかがえました。では今年最初の一言講評です。

題詠

①右往左往大吉求め初みくじ

おみくじで「凶」を引いてしまった作者の息子さん。なんとか大吉を求めていろんな神社へ。「凶」の日はさようなら♪です!

②日章旗ついに見かけぬお元日

「お元日」という懐かしい言葉。日の丸をかかげるお家も少なくなりました。発見の句。ドラマ「まんぷく」の昭和32年のお正月風景はどこの家も日の丸を掲げているセットでしたね。

③新年にふるさとの味氷頭なます

鮭の頭の軟骨を「氷頭」(ひず)というそうです。ご主人のふるさと新潟の味のようです。

④鼻にのる眼鏡さがして初笑ひ

頭の上に乗せた眼鏡を探すのはよくあること。まさか鼻の上にあっても探すとは!!お正月なら笑って許せますね。

⑤追羽根や加古のだるまの7冊目

去年亡くなった絵本作家の加古さとしさんの「だるまちゃん」シリーズ。お正月、お孫さんのために読み聞かせをしてあげたそうです。「加古のだるま」を地名と思った方も。


⑥亡き母の黴こそげ居る小正月

もったいない精神の昭和一桁世代。おもちの黴もへっちゃらでした。黴びないように水につける「水もち」の話も飛び出しました。

⑦ふるさとの左義長の日や黒き餅

こちらは黒こげのお餅。左義長の一場面ですね。

⑧乗初やスマホはなさぬ晴れ衣

晴れ着を着ても決して手離さないスマホ。電車の中でも一列皆スマホ。作者はこの風景を嘆かわしいと思い詠まれました。

⑨初夢や回転木馬無音にて

初夢に回転木馬。しかし、無音。サイレント映画のようとのコメントもあり。トップ賞おめでとうございます!!新境地開拓でしょうか?

⑩火の粉避けとん汁を待つどんど焼き

これも左義長の一場面。ダウンコートに火の粉が飛んできて危ない、危ない。

⑪腰のばし結ぶ老爺の初御籤

いくつになっても何かを期待して、おみくじを引きたいもの。腰は曲がっていてもその時だけはしゃんと伸びます。人生の一場面を具体的に写生されました。

⑫女正月白玉団子の柔らかく

忙しいお正月が終わってようやく女正月。白玉団子のおしるこを友人宅で頂きました。「白玉」が夏の季語とはつゆ知らず。

⑬一人見る水平線の初日没

にぎやかなお正月に一人、水平線に沈む夕日を見る。おめでたい中にも凛とした決意が感じられます。下五の読み方を「初日入る」か「初入り日」の方がいいのでは?という声がありました。

⑭初稽古父の淹れた茶柱立つ

どんなお稽古でしょうか?和物のような気がしました。「柱立つ」と分けて読んでいいのですね?

⑮化粧濃きひとのまず買ふ懸想文

絶滅季語に入れられる「懸想文」(けそうぶみ)。節分の頃、京都の須賀神社で売られるそうです。良縁を求む舞妓さんでしょうか? 使ったことのない季語に挑戦した作者はチャレンジャーです。

いかがでしたでしょうか?いろんなお正月、新年がありましたが、もうすぐ2月です。来月は「春寒」あるいは「牡丹の芽」がお題となりました。
2月20日水曜日です。来月もよろしくお願いいたします。麗子
コメント (2)
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