平成最後の初句会。お風邪で狗子さんはお休みでしたが、8名の参加でにぎやかに。晴代さんがお菓子を差し入れてくださりおいしいコーヒータイムとなりました。新年にふさわしい楽しい句会。さまざまな新年の様子がうかがえました。では今年最初の一言講評です。
題詠
①右往左往大吉求め初みくじ
おみくじで「凶」を引いてしまった作者の息子さん。なんとか大吉を求めていろんな神社へ。「凶」の日はさようなら♪です!
②日章旗ついに見かけぬお元日
「お元日」という懐かしい言葉。日の丸をかかげるお家も少なくなりました。発見の句。ドラマ「まんぷく」の昭和32年のお正月風景はどこの家も日の丸を掲げているセットでしたね。
③新年にふるさとの味氷頭なます
鮭の頭の軟骨を「氷頭」(ひず)というそうです。ご主人のふるさと新潟の味のようです。
④鼻にのる眼鏡さがして初笑ひ
頭の上に乗せた眼鏡を探すのはよくあること。まさか鼻の上にあっても探すとは!!お正月なら笑って許せますね。
⑤追羽根や加古のだるまの7冊目
去年亡くなった絵本作家の加古さとしさんの「だるまちゃん」シリーズ。お正月、お孫さんのために読み聞かせをしてあげたそうです。「加古のだるま」を地名と思った方も。
⑥亡き母の黴こそげ居る小正月
もったいない精神の昭和一桁世代。おもちの黴もへっちゃらでした。黴びないように水につける「水もち」の話も飛び出しました。
⑦ふるさとの左義長の日や黒き餅
こちらは黒こげのお餅。左義長の一場面ですね。
⑧乗初やスマホはなさぬ晴れ衣
晴れ着を着ても決して手離さないスマホ。電車の中でも一列皆スマホ。作者はこの風景を嘆かわしいと思い詠まれました。
⑨初夢や回転木馬無音にて
初夢に回転木馬。しかし、無音。サイレント映画のようとのコメントもあり。トップ賞おめでとうございます!!新境地開拓でしょうか?
⑩火の粉避けとん汁を待つどんど焼き
これも左義長の一場面。ダウンコートに火の粉が飛んできて危ない、危ない。
⑪腰のばし結ぶ老爺の初御籤
いくつになっても何かを期待して、おみくじを引きたいもの。腰は曲がっていてもその時だけはしゃんと伸びます。人生の一場面を具体的に写生されました。
⑫女正月白玉団子の柔らかく
忙しいお正月が終わってようやく女正月。白玉団子のおしるこを友人宅で頂きました。「白玉」が夏の季語とはつゆ知らず。
⑬一人見る水平線の初日没
にぎやかなお正月に一人、水平線に沈む夕日を見る。おめでたい中にも凛とした決意が感じられます。下五の読み方を「初日入る」か「初入り日」の方がいいのでは?という声がありました。
⑭初稽古父の淹れた茶柱立つ
どんなお稽古でしょうか?和物のような気がしました。「柱立つ」と分けて読んでいいのですね?
⑮化粧濃きひとのまず買ふ懸想文
絶滅季語に入れられる「懸想文」(けそうぶみ)。節分の頃、京都の須賀神社で売られるそうです。良縁を求む舞妓さんでしょうか? 使ったことのない季語に挑戦した作者はチャレンジャーです。
いかがでしたでしょうか?いろんなお正月、新年がありましたが、もうすぐ2月です。来月は「春寒」あるいは「牡丹の芽」がお題となりました。
2月20日水曜日です。来月もよろしくお願いいたします。麗子