今年の初句会の兼題は「寒雀」あるいは「初雀」でした。どの雀の囀りがにぎやかでしょうか?明日をお楽しみに。
題詠 「寒雀」
① 屋根神の高さに跳ぶや寒雀
② 子雀よ吾と学べや入試間近か
③ 首すくめねぐら思案か寒雀
④ 寒雀小首かしげて寄り添えり
⑤ 糠まけば風の中から寒雀
⑥ 初雀弾む語らひ弾む枝
⑦ この世からすこしはみ出て初すずめ
⑧ 寒雀夕日浴ぶ屋根かさこそと
⑨ 寒雀パン撒く人に群をなす
⑩ 宿もとめ 我が庭来たり 寒雀
⑪ 寒雀舌切られるな早よ食べよ
⑫ けんぱの輪残り遊ぶや寒雀
⑬ 数減らし辛き世を生く寒雀
⑭ 主(あるじ)なき 杖にとまりて 寒雀
⑮ 寒雀むれてついばむ目地の草
自由題
① 鐘の音心新たに初昔
② 独り居の花一輪の淑気かな
③ 言祝ぎつつ屠蘇にみたての赤ワイン
④ 初明かり餅かずきそふ声遠し
⑤ 初市の 瞳哀しき 仔牛かな
⑥ 太陽の子を抱き咲く冬牡丹
⑦ 病めること久しくなりぬ夫傘寿
⑧ 冬晴や塑像のごとく園の虎
⑨ 寒参り点呼整列石の兵
⑩ 寒月の研ぎ澄まされた細さかな
⑪ 月冴ゆる弱き心を嗜める
⑫ 寒に入り輝き近し友の星
⑬ 妖精の 睫毛震えし 雪月夜
⑭ 風の花幼なじみの訃の報せ