575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

病棟の窓を灯して年暮るる  亜子

2022年01月13日 | Weblog

「年暮るる」の傍題は「年の暮れ」「歳晩」「歳末」「年の瀬」「年の果て」などたくさんあります。街は歳末商戦で忙しく、家庭でも新年を迎える用意に忙しい頃。全てが慌ただしくでもとこか活気を帯びる時でもあります。そんな中、日常から隔離された病院には「年暮るる」という少し穏やかな季語が一番合うと思いました。

夕暮れ時、病棟の窓の明かりを見ると、そこには入院生活を余儀なくされている人がおられることに気づかされます。できれば退院してご自宅で新年を迎えたいという希望を持ちながら病と懸命に闘っておられることでしょう。

そんな窓の一つ一つにその人の人生の物語があるような気がします。

この俳句の作者の亜子さんはご主人の入院中、コロナで面会できず、ナースステーションに毎日、お手紙を届けたそうです。会えない辛さは私もコロナ禍で母を見送ったのでよくわかります。そして今また父が入院中です。

須美さんから「コロナで面会は出来ず病院の窓の灯りに家族、友人を想う人は少なくないと思います。そして今年も暮れていきます。」というコメントを頂きました。

それでなくても辛い入院生活にお見舞いができないというやるせなさ。一日も早くオミクロン株が収まり、面会が可能になりことを祈ります。麗子

 

 

 

コメント (1)
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