今年の初句会で見事トップ賞を獲得した郁子さんらしいかわいらしい句。昭和の光景かと思いきや、最近、実際に住宅地の駐車場でけんぱの輪を見たそうです。実景をそのまますっと作れた時、多くの方の共感と郷愁を誘いますね。子供たちが去ったあとの輪の中で今度は雀たちが遊びます。
ところで、皆さんの地域では「けんぱ」のことをなんと言いますか?私が子供の頃過ごした大阪北摂地方では「けんけんぱ」と言って地面に〇を書いて片足で飛んでいたように思います。「けんけん」「石けり」などと呼ぶ地方もあるようです。懐かしい遊びが現代にも踏襲されているのはなんだか嬉しいですね。
では皆さんからのコメントです。
殿様:子どもたちが地に描いた輪。その輪で遊ぶ雀。童話の世界を描いたような幻想的な句。
紅さん:子供達が遊んだけんけんぱの跡でしょう。懐かしい面白い句ですね。
能登さん:古き良き時代を感じる。
千香子さん:寒い中元気に遊んでした子どもと、子供がいなくなって遊んでいる雀と
可愛らしいすがたが重なって楽しくなりました。
須美さん:なんとも可愛らしい句。小さい頃見た様な。
晴代さん:子供と雀の関係がほほえましい。
★★★
「けんぱの輪」という懐かしい情景とかわいらしい雀の取り合わせが見事なトップ賞でした。ちなみに郁子さんは2015年の初句会で
無秩序が秩序となりて初雀
という俳句を作っておられます。同じ作者とは思えない思慮深い句。観念句から写生句まで懐の深さを感じました。
遅足さんが当時、この句について「世界は混沌に始まり、秩序が生まれていく不思議。初雀に、そんな自然の摂理を感じ取ったのでしょうか?」というブログを書かれています。(2015年1月28日)
そして、その時の句会で佐保子さんが
寒雀手毬のごとく飛び跳ぬる
という句を作っておられ高得点を獲得されています。7年前のブログも今読んでみるととても懐かしいです。よかったら皆さんも覗いてみてください。 麗子