この句を最初に見た時、今の世の中の動きとは少し離れたところにいたとしても、無事に新年を迎えられ安堵する気持ちが伺えました。初雀の健気な声に励まされるような気もしました。
「この世」は社会生活なのか、あるいは雀の住む自然界なのか、いずれにしても「すこしはみ出て」に、それでも生きていくという力強さが感じられました。
皆さんのコメントです。
殿様:雀は20年前と比べ8割減少。絶滅も近いといわれています。
作者は滅び去る雀への愛惜の念を句にこめたのでしょうか。
紅さん:すずめが少なくなってきているそうです。この世はすずめたちのとって、住みにくいのでしょうか。
遅足さんの奥様の佐保子さん:
情景を描くという句ではなく、こころというか思いを表現したいのではという感じです。(見たことを575にしてるだけの私と違って)締め切りの日も結局句が浮かばなかったのに、翌朝起きたらできたといった句があれでした。あの初すずめは宏二自身で、この世からすこしもうはみでてしまって生きている、病気で頭の方ももはや回らなくなって来ている感じをうまくいったなと思って「いいね!」と1票いれました。読む人が、けなげととってくださってもいいし、寂しいねととって下さってもいいし。ちょっと私は感動したので、
「この世からすこしはみ出て初すずめ」締切すぎて夫(つま)の読みし句 佐保子
なんて歌にしたりしました。
★★★
遅足さんの俳句を佐保子さんが短歌にする。これは素敵な共同作業ですね。以前、遅足さんはご自身の俳句を短歌に作り直しておられましたが、これからは奥様とご一緒にできますね。これからも期待しています。
俳句にも短歌にもなる初すずめ 麗子