575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

読みおえぬページに残る寒さかな  晴代

2022年03月04日 | Weblog

 

今月の自由題、ダントツで首位を獲得した句です。

 

紅さん: セピア色に浮かぶ情景が好きです。

結宇さん:読み残しか、単に未読か、先を読もうとすると気持ちの切り替えが必要なのかな。

 その短い時間に、寒さを感じるのでしょう。

麗子さん:寒い日に本を手にした時のひんやりとした感触。

 長編をまだ読み終えず、ページをめくる時に感じる繊細な余寒をうまく表現されたと思います。

等さん:雨の降りそうな日は、テレビでオリンピックを見るか、本を読むのに限りますね。

 早く本を読み終え、出かける準備をして置きましょう。

須美さん:読み終えぬページに寒さを感じる。素敵だな。

千香子さん:本の内容も余程寒かったのでしょうか、私も時々感じることがあります。思い出す本では 大田愛「天上の葦」です。

亜子さん:夜の読書でしょうか?集中力も鈍り、本を閉じた時の心境。寒さの表現が俳句としてすばらしいと思いました。

    

作者は何故、本を読み終えることができなかったのでしょうか。

あまり好きな内容でなかったか。単に忙しかったのか。

消化できない問題が生じて読み終えることができなかったとも想像します。

人生において社会情勢において、どうにも糸口が見つからず先に進めないことはたくさんあります。

 ロシアのウクライナ侵攻・・連日の報道にこころが痛みます。

力で相手を封じ込めることはできないし、それに対抗するのも力ではないはず。

軍事力や核に頼らず、互いの目を未来に向けられないものか。それは甘すぎるのでしょうか。

繰り返す悲劇をこれだけ経験して尚、人類はなかなか進歩できません。やるせなさが澱のようにとどまり、

なかなか本が閉じられません。人類史という本が。    郁子

 

コメント (1)
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