575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

淡雪のうっすら哀し生きるとは  郁子

2022年03月10日 | Weblog

何とはかなく心に響く一句でしょうか。「うっすら」が効いています。まずは皆さんのコメントからご紹介します。

殿様:「淡雪」の意は「うっすら積もり溶ける」中七の「うっすら哀し」韻が潜んでいるのでしょうか。句の奥深さがさまざまな人の共感を得るでしょう。他句の追随を許さない秀句と評価します。

竹葉さん:「淡雪」も「うっすら」も語感に深刻さがないいい句だと思います。

紅さん:重みのある句だと思います。下五の締め方も素敵です。

亜子さん:今の私の毎朝の心境にぴったりです。「うっすら」が効いています。淡雪に託した心境句。

            ★★★

私もいただきました。

確かにこういう気分の時あります。淡雪は美しいけれど、はかなく消えていきます。生きていく限り、誰も、老いや病気、死は避けて通れません。そんなことを思うと人生はうっすら哀しいのです。それでも生きていく私たち。でも、この句を見た時なぜか、「負けへんで!!」そんな気分になれました。

作者の郁子さん曰く、「雪の日にふわっと出来た」句だそうです。

そのせいか、全く肩に力の入らない、それでいて人生の核心をつく句だと思いました。うっすら積り、やがて消えていく。まさに人生を凝縮した哲学的な俳句。郁子さんの俳句の奥行は広いと改めて思いました。麗子

 

コメント (2)
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