再び私の拙い短歌から始めます。
登美子も詠みし小浜の海の漁火の向こうの闇に原発ドーム
久須夜岳眼下に広がる原始の海 眼を転ずれば原発ドーム
竹中 敬一
明治期の明星派の歌人、山川登美子は福井県小浜市の出身。
登美子が愛した小浜湾の沖に夕暮れともなると漁火(いさりび)がいくつかほの見える風景は今も変わりません。
しかし、その先にある原発ドームをどうしても想像してしまいます。
私が生まれたのは小浜市の内外海(うちとみ)半島の付け根、眼の前に久須夜岳(標高619メートル)が望めます。
この山頂から北の方向を見渡せば、紺青の原始の大海原。その果ては朝鮮半島です。
一方、左に眼を転ずれば、眼下に4基の大飯原発のドームが現れます。
現在、1、2号機は廃止措置中、3号機は運転中、4号機は定期検査で停止していましたが、
この7月15日から再稼働しているそうです。
しかし、稼働中であろうが、停止中であれ、ミサイル攻撃を受ければ、被害甚大です。
福井県知事は政府に対して自衛隊の配置を早急に実現するよう緊急要請したと地元の新聞は報じていますが、
たとえ迎撃態勢をとったとしても、はたして防御できるでしょうか。
反原発新聞(4月20号)が伝えるように安心安全の道は原発をなくす以外にないと思います。 竹中 敬一