処暑を過ぎ、少しずつではありますが、秋の気配が感じられるようになりました。秋の気配を最初に感じるのはやはり雲でしょうか?先日、今年初めて鱗雲のような秋の雲が見られました。そんな情景をいち早く句にされた等さんのこの句が見事トップ賞でした。
秋の雲の様子をうまく捉えていると思いました。モクモクを立ち上がる入道雲とは違い、横に伸びた薄い秋の雲です。
皆さんからのコメントです。
結宇さん:本当に、先ごろは“雲の峰”と読みたいところですが、次第に横に伸びてゆくんですね。
晴代さん:縦から横に伸びが面白い。
郁子さん:言われてみればそのとおりというシンプルでいて広い景。秋の貌と迷いました。
千香子さん: ⑧ を具体的に 表している感じです。 入道雲といわし雲を連想しました。
須美さん:入道雲は縦にモコモコしていたが秋になると鱗雲など横に広がります。なる程と改めて思う。
亜子さん:「なるほど!」という一句。地面から湧き出るように上に伸びていく夏の雲から、刷毛で掃いたような横に伸びる雲に変わって来た。その発見を詠まれたことに感心しました。
★★★
等さんは、句会で俳句は写生が基本と言われていました。「秋めく」という形のない季語に対して、雲の様子をきちんと写生されたところに多くの票が集まり、「なるほど!」とうなり、共感を呼んだのだと思います。
遅足さんの8番の句も同じ空を詠まれましたが、「秋の貌」という表現がやや抽象的で具体性にかけたのかも知れませんが、でも、こういう表現の違いが俳句の多様性であり、面白さだと思います。
麗子