「翠」は緑、「微」はかすかの意。「翠微」を調べると
①山の頂に近い所、山の中腹
②うす緑色に見える遠くの山とありました。
ということは②の意。さすが博識の作者。木々が一斉に芽吹かせることで見せる早春の山肌の色合いを見事、漢字二文字で言い表しました。
千香子さん、佐保子さんの票がはいっています。
佐保姫や山の若芽に薄衣 泉
こちらも同じ山肌を詠んでいるように思います。
山全体が淡くぼかしたように見えるのは佐保姫の薄い衣のなせる業か。。実は私も「乳白色のうすごろも」というのをつくりました。
柔らかく霞んで見える景が浮かんできます。
そして結宇さんは、さらに温度感を。
佐保姫の領巾(ひれ)振る風の温みかな 結宇
竹葉さん: 佐保姫は着物姿に決まってます。それを領布を振るで表しそれが温かい風を起こすというダイナミックな句でとても気に入りました。
泉さん: なんだか情景が浮かぶ。領布振るが気に入りました。
別れの季節ではありますが、風の温みを感じることも多くなります。
佐保姫の情のように思えます。 郁子