575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

マッチ擦る炎一閃年明くる  亜子

2023年02月09日 | Weblog

お一人暮らしの亜子さん。お正月は小さな鏡餅と布製の小さなウサギを亡きご主人の遺影に供えて、ろうそくを灯しお香を焚いたそうです。静かな年越しのセレモニーです。マッチをするその瞬間を詠まれたそうです。

シュッとする音まで聞こえそうな気がしました。炎の明るさもいつもの日とは違って見え、まさに「一閃」きらめいたことでしょう。亡きご主人が寄り添ってくださったはずです。

郁子さん:年が明ける一瞬。カウントダウンや時計の秒読みで見守る一瞬を、マッチする一閃と表現する感性の鋭さに参りました。

竹葉さん:炎一閃でピリッとした新年の感じが出ていいと思いました。

             ★★★

奇しくも同じ「一閃」という言葉を使われた千香子さんの句は

       寒林へ一閃残し夕日かな

最近は日没が遅くなってきましたが、1月の日暮れは早く、まさにこのような景色を私も目にしました。「寒林へ」がうら寂しい中にも一日を終えた安堵感、そして明日への希望が見えるようです。

泉さん:静かな夕暮れの林に光が差し込む様子がわかる。

亜子さん:夕日が沈む直前の一瞬。明るく照らして沈んでいく印象的な夕焼けの風景。一枚の写真を見るようです。

 

それにしても「一閃」とは一瞬のきらめきを表すとてもいい言葉だと思いました。麗子

 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする