小学校3、4年生の頃だったかな。
軒下の蜂の巣を竹の棒で叩き落して遊びました。
アシナガバチの巣は、案外しっかりしていて、なかなか落ちません。
落とすと、一斉に逃げます。
ちょっと逃げ遅れると、怒った蜂に襲われます。
私も刺されました。
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最近は、蜂も街中には棲みにくいとみえて、姿を見なくなってきました。
ところが、今の家に引っ越した時、再び、アシナガバチとの戦いが勃発。
どこからか飛んできて、庭のイヌツゲのなかに巣をつくる。
退治しても、また翌年に巣をつくる。
数年に及ぶ攻防戦の結果、蜂は巣つくりを諦めてくれましたが、
左太股には、その時の勲章があって、今頃になると疼きます。
蜂の尻ふはふはと針をさめけり 川端茅舎
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蜂は春の季語。この他、蜂の巣、蜜蜂なども春の季語です。
蜂といっても様々、世界には10万種いるとか。
なかでも、蜜蜂ほど、人間が恩恵を受けてきた蜂はいません。
1万年前のスペインの壁画には、蜂蜜を食べて様子が描かれているそうです。
ヨーロッパでは、蜂蜜から蜜酒を造っており、
古代ゲルマン民族は、新婚1カ月は蜜酒を飲む習慣があって、
これが、ハネムーン(蜜月)の語源といいます。
少年や蜜蜂花を重ねけり 遅足
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蜂というとこの句が好きです。
冬蜂の死にどころなく歩きけり 村上鬼城
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蜂は刺されるとショック症状を起こすことがあります。
見つけたら、敬して近づかず。
手などで払わず、じっとしていると
そのうち飛んでいくそうです。
またスズメバチは黒い色に関心を示すそうです。
要注意。
母親が「どうしたの?」と起きあがり
私。「お腹がいた~い。針がさしたみたいにいた~い」と泣き叫ぶ。
電気をつけてお腹を見てみると何やら赤く腫れている。「そういえば今日はシーツを洗った」と思い出した母が布団をめくると蜂が忍び込んでいました。
父により殺された蜂は次の日の朝、庭にはき出されました。
それ以来、蜂が怖くて先日も庭に大きなのが飛んできて大騒ぎしたばかり。トラウマです。
ところが、それを見た親爺が大感激。ヘボじゃヘボじゃと喜んで。中学生を前にほじり出した蜂の幼虫の美味なことをまくし立てた。
ついには、生が一番身体によく「精がつくぞ」と悪がきに強制的に試食させた。みんなびびって手が出せない。親爺はにやにやして、次々とヘボを平らげていった。友達は変なことで親爺を尊敬するようになった。親爺はいい気になって「ヘボ」の採り方、料理の仕方を長々としゃべった。
その夜は、嫌がるおふくろを急きたてて「ヘボ」の佃煮を作らせて、暫らくは夜のつまみにして満足そうであった。私も甘辛の味に牽かれて弁当に入れていった。
後年、飛騨を旅行して宿の夕食にヘボの佃煮に出会ってぺろりと食べて妻に尊敬?されたのである。