575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

黄烏瓜            草女

2008年01月11日 | Weblog
 一月三日、一宮市の郊外を走っていてキカラスウリを見つけた。高さ10mはある柿の大木に蔓を這わせて沢山の実をつけていた。柿も黄烏瓜も葉を落としているので黄色のボールのような実が沢山ぶら下がっている様子はまるで昼間の電飾を想わせた。
 このキカラスウリは、実も大きく直径10cmほどの大きさのものが100個以上付いているのは実に壮観であった。茎も枯れてはいたが親指ほどの太さがある。生育の良いのは、その場所が駐車場と道路に隣接した空地で太陽を独り占め出来るからである。
 しかし太陽を好む黄烏瓜にとって、こんなぴったりの空地がいつまで残されたままでいるのか?今度来たら柿の木ごと無くなっているのでは?と危惧しないではおられなかった。

 さて黄烏瓜を図鑑やネットで調べて見ると以外に記事は少ない。
 その中で一番詳しかったのは25年も前に出された主婦の友社の「山野草カラー百科」である。
 ウリ科カラスウリ属のつる性多年草。沖縄、北海道を除いて広く分布するが密度は薄い。但し日本特産。
 意外と知られていないがキカラスウリの根は、中のデンプンが天瓜粉(天花粉)になる。幼い頃、痩せて色黒な私が天花粉を付けられているのを見て、口の悪い姉たちが「ホシガキコ」と揶揄し傷ついたのを今も覚えている。
 自分の子育ての頃は鉱物が原料のベビーパウダーを使ったが、孫たちはそれさえも使っておらず別の何かだった。薬局で調べて見るとさまざまなパウダーが置いてあるが何か化学合成されたものの様である。今や「純粋の天花粉」は高級化粧品にのみ混ぜられて使われているらしい。

 さて、一宮で出会った黄烏瓜の実を数個いただいてきたので、庭に蒔くつもりであるが、日当たりの良くない我が家であのように育ってくれるか心配である。

★ 黄烏瓜の句が見当たらないので「烏瓜」の句を

  蔓切れてはね上がりたる烏瓜        高濱虚子
  梵妻を恋う乞食あり烏瓜          飯田蛇笏
  烏瓜すがるすべなく曳かれおり       山口青邨
  落ちんとし墜ちねば霧の烏瓜        篠田悌二郎
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お屠蘇   麗 | トップ | 百円の白菜を漬け国憂う  ... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ホシガキコ (遅足)
2008-01-12 09:20:23
思い出した句があります。

 天花粉しんじつ吾子は無一物

誰でしたっけ?鷹羽狩行さんでしたっけ?
鷹羽さんが、この句と、もう一句を先生に見せたら
先生はこの句を選んだと、
どこかに書いてあったような?

みな、あいまいな記憶で、すみません。

 ホシガキコしんじつ吾子は無一物

が、ご両親の心境ですね。




返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事