575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

俳句とワイン

2006年12月05日 | Weblog

写真は愚足さんの作品。
月の写真をと、お願いしたものの一枚です。
月がうしろ髪を引っ張っているようにも。




俳句をワインに喩えた文を読みました。
面白いので紹介します。


古池や蛙飛び込む水の音 芭蕉

ブルゴーニュの赤の王「ロマネ・コンティ」
ベルベットの手袋の中の鉄の手のような妙薬。
一見では、平淡な味ですが、計り知れないほどの深み、
多重性、独創性、力を秘めています。


我雪とおもへばかろし笠の上 其角

シャンパーニュの「ドン・ペリニョン」
高級なシャンパーニュは重くて渋いものが多いですが、
ドン・ペリニョンだけ、軽やかで、鋭くて、
上品なエスプリにたけています。


菜の花や月は東に日は西に 蕪村

ブルゴーニュの白の女王「モランシュ」
すっきりした、完璧な切れ味のみならず、大らかな香り、
壮大な広がりが神秘的。

    


私はアルコール類はダメなので、残念ながら
この喩えはちょっと分からないのですが、
でも俳句の方から、ワインの味を感じています。

                 遅足


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俳句クイズ           愚足

2006年12月04日 | Weblog
 次のグループに共通する「キーワード」を考えてください。

  第一グループ
   朧夜の船団「  」を指して消ゆ         飯田龍太
   いなびかり「  」よりすれば「  」を見る   橋本多佳子
   饗宴やみな「  」へ鶸ながれゆく        安井浩司

  第二グループ
   雪霏々とどこかで「  」の声がする       橋 石
   朝顔や百たび訪はば「  」死なむ        永田耕衣

   沈丁花
   殺されてきて
   「  」が佇つ闇                高柳重信

  
                 
   

   

   

   
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泣く男   遅足

2006年12月03日 | Weblog

白玉のふいに泪の味がせり  大牧広

 泪とともにパンを食べた者でなければ人生の味は分からない(ゲーテ)

 ある時から泣くことに抵抗感が小さくなりました。
 それまではジーンと来る映画を見ても泣くまいと
 がんばっていました。
 悲しくもないのに、なぜか泪がこぼれました。
 自然にまかせたらドンドン泪がわいてきました。
 ふっと気づいたら、気分がずっと軽くなって、
 お腹が空きました。

昔の日本男子はよく泣いたそうです。
あの光源氏も、さめざめと泣いています。

いつから泣かなくなったんでしょうね?





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いじめいる師走の雨の月曜日   朱露

2006年12月02日 | Weblog

 広辞苑「苛め」いじめること、特に学校で。
 お世話になる字引だけど、これには呆れた。
 「いじめたら倍返し」という態度を示す事。
 疎開という魔境を切り抜けた私の言は重い。

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老いは不純?フムフム。        鳥野

2006年12月01日 | Weblog
地上波が無くなる頃には、命も終わるだろうから、と気にもしていなかったTVの買い替え。
それがヒョンな成り行きで、新品になりました。

その使い始めに観たBS映画の際やかなこと。
「ベニスに死す」は再びの感動でした。切り取ればどのシーンも耽美派の名画、そしてマーラーの交響曲第5番4楽章の甘美、ヴィスコンティならではの拘りと贅沢。久々に映画を堪能しました。

音楽論のバトルの中で「あなたは老いた。この世の中で老いほど不純なものはない」という罵倒。
なーるほどと、頷きながら、少し寂しい。

  美神佇つ有無をいわせぬ冬落暉

 
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