575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

さきに死ぬ話を妻と秋の空   遅足

2010年09月23日 | Weblog
俳句ノートをめくっていたら、一年前に
こんな句をつくっていました。
丁度、母が入院中、その一ヶ月後に亡くなりました。

   朝から





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防人の埴輪佇む秋思かな    朱露

2010年09月23日 | Weblog


      防人(サキモリ)は古代日本の兵士。 
      埴輪(ハニワ)は土を素焼きの人形。
      ここ数十年この人を眺め続けている。
      私も東国から派遣された一兵士だし。

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月光をあびて秘密をかるくする   遅足

2010年09月22日 | Weblog
船団のえなみドクターの診断です。
ユニークな表現です。どんな感じなのか実感が湧かなかった。

    

うーん・・・



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秋の部屋網戸の破れそのままに    朱露

2010年09月22日 | Weblog


       これは私の部屋のことを言っている。
       昨日今日の破れじゃなく夏中の破れ。
       二階なので蚊はここまで来る筈なし。
       だから破れていてもいいと言うのか。

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べい独楽を廻せて一人前とする   朱露

2010年09月22日 | Weblog


    男八人中七人廻せるが一年生一人がまだ。  
    戦後すぐ流行ったので、べい歴六十数年。
    人生はべい独楽で明けべい独楽で終るか。
    「べい独楽」が何故秋の季語か分からぬ。

       

  「べい」というのは「貝」のことらしいです。
  昔は貝殻で廻したらしいですが、そのうち鋳物にした、というわけ

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名古屋で会議   鳥野

2010年09月21日 | Weblog
名古屋市で来月、生物多様性条約第10回締約国会議が開かれます。
何という長ったらしい名称。そこで縮めて「COP10」。
地球上にはすべての生命体、科学的に明らかなものが175万種、未知のものを含めると3000万種が生態系を築いています。

多様性条約では、「生命体の生息環境を保全し、生命資源を持続可能であるように利用すること」などを骨子にしています。

要するに、生命資源の利益をできる限り長く、公平に分配して利用しようというもの。

やっぱり、人間は万物の霊長。自らの繁栄を考えています。

この会議、人間以外の生命体も注目していると、思うと、すごく楽しい。

 昨日あるお寺で、息絶え絶えのアリンコに会いました。
 夏もようやく終りのようです。

  ・本堂の畳の毛羽によろばいて赤蟻いっぴき夏と逝きたり

                         鳥野
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懐中に椎の実のある仮寝かな   鳴戸奈菜

2010年09月20日 | Weblog
句集を読んでいたら、この句に目が止まりました。

仮寝というから旅先での一夜だろうか。
気がつくと、ふところには椎の実が。
拾ったまま、懐にして眠っていたのだろうか。

わたしの懐にある小さな椎の実。
人生という旅のなかにある小さな私。

私も椎の実も、宇宙という大きな懐のなかに
抱かれた小さな異物かも。

秋の夜、という透明感のある時間が流れている。

   

俳句はゆっくりと声に出して読む。
懐中のK音、仮寝のK音が韻を踏んで心地よい。

                遅足

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耳鳴りの原因は何秋高し    朱露

2010年09月20日 | Weblog


      好村兼一「伊藤一刀斎」上下読了。
      一刀斎は伊豆大島の人で懐かしい。
      古里真鶴の50キロ沖に浮かぶ島。
      わくわく九百頁一気に読みダウン。

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荻原先生の梨の歌    遅足

2010年09月19日 | Weblog
先生のブログに掲載されていた梨の歌です。

  死はどんな出口でもない梨を剥く音をひとりで聴きながら剥く

    

ひとりで梨を剥いているのですが、
句会の句とは、一味違った雰囲気がありますね。

「死はどんな出口でもない」なんて俳句では
うまく使えません・・・

  死はどんな出口でもない○○○○○

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秋風や向こうから来る芝不器男     朱露

2010年09月19日 | Weblog


      昭和5年27才で死んだ芝不器男。
      4年後私は生まれ便便と76才だ。
      永き日のにはとり柵を越えにけり。
      何をどうすればこういう句になる?

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愛人にならないように梨をむく   遅足

2010年09月18日 | Weblog
岡野ドクターの診断です。
こういう句を認めない人もいると思うんです。
文字通りに読むと、今、私は愛人になりそう(或いはされそう)だが、
そうならないように梨を剥いている、、と。
私が梨を剥くこと(あるいは、ある剥き方)が私の愛人化を防ぐ。
自分で説明していて少しアホらしくなっていますが、
このアホらしい理路に俳句性(詩)を感じるかどうかで分かれます。
もちろん私は愛人も梨も好きです。



ありがとうございます。

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掘り出しの時代物読む夜長かな   朱露

2010年09月18日 | Weblog

     好村兼一著「伊藤一刀斎」上下897頁。
     フランスで柔道を教えている八段の人物。
     当方は本が重過ぎて肩が凝るという始末。
     「ここで挫けては」血圧を計りつつ読む。

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山霧や霧に匂いがあるとして  朱露

2010年09月17日 | Weblog
 

      北百米が山裾だが立ち昇る霧の中だ。
      下界から見るとここも霧の中だろう。
      霧に匂いがあるとすれば匂っていい。
      匂わないのは鼻のせいかも知れない。

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皮剥けば話上手な梨となり   遅足

2010年09月17日 | Weblog
船団・えなみドクターの診断です。

桃や林檎と比べると、梨はごつごつしていて
色も地味でアピールするものが少ない。
でも、一皮剥けばジューシーでお肌つやつや。
そんな感じが「話上手な梨」で
巧みに表現されていると感じました。
桃が話上手であると同時に、
食べている人の会話も弾むんだよ~と
いう事も伝わってきます。

 (最後の桃は梨かな?)

ありがとうございます。

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9月句会の最終結果です。     遅足

2010年09月16日 | Weblog
雨模様の句会となりました。7人の出席。
題詠は、梨にまつわる、さまざまなシーンが詠まれており
楽しめる句会でした。


題詠「梨」

①梨むいて一人静かに愚痴こぼす(朱露)亜子・静荷・立雄
②シャリシャリと梨食む不協和音かな(値遇)能登・狗子・郁子
③点滴終え梨一切れの甘さかな(愚足)能登・結宇・晴代・亜子・麗子
④梨重し汝は猛暑にて肥りしか(静荷)値隅・遅足・朱露
⑤もぎ立てをサラダに添えて庭の梨(立雄)
⑥説教の僧の破顔や梨の皿(亜子)愚足・狗子・晴代・郁子
⑦梨をむくこの剥き方は父のもの(遅足)値遇・鳥野・狗子・結宇・晴代・郁子・立雄
⑧梨噛めば運動会の味がする(麗子)亜子
⑨梨の実の黒文字伝う甘露かな(結宇)愚足
⑩梨ひとつ貰ってスキップ帰り道(郁子)鳥野・麗子・朱露・静荷・立雄
⑪さくさくと梨食む妣の糸切歯(晴代)鳥野・遅足
⑫梨の実の食べきれぬままベッド脇(能登)愚足・結宇・麗子・朱露
⑬深層に秘密の如く梨の芯(狗子)値遇・能登・遅足・静荷

 
自由題
 
①目覚むれば今宵はフォルテ庭の虫(立雄)麗子・静荷
②音たてて木の実の睦み合う日かな(遅足)晴代・郁子・朱露
③虫の音の止みて明け待つ長さかな(愚足)能登・鳥野・狗子・晴代・亜子・立雄
④秋ともし素描の人の背中かな(値遇)愚足・鳥野・郁子・遅足
⑤寒狭川夢幻の下り簗(朱露)亜子
⑥手より手に鐘鳴らし継ぐ終戦忌(亜子)愚足・鳥野・結宇・立雄
⑦刺身用てふさんま美(は)し一尾買ふ(静荷)値遇・結宇
⑧君と聴く銀河をめぐる虫の声(郁子)能登・麗子・遅足・朱露
⑨新涼や刺つつみ込む水の玉(晴代)狗子・郁子・麗子
⑩何もかもぱさついたまま秋に入る(麗子)値遇・狗子・晴代・遅足・静荷・立雄
⑪推敲の文(フミ)塚埋む(ツカウム)と凌霄花(ノウゼンカ)(結宇)
⑫脳の中虫の音響くテント泊(能登)亜子
⑬品切れと百円ショップの秋扇(狗子)値遇・能登・愚足・結宇・朱露・静荷

     

次回は10月20日(水)午後6時 安田屋
題詠は「露」です。

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