575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

梨句会   麗

2010年09月16日 | Weblog
秋雨が降りそぼる中行われた昨夜の句会。
安田屋さんのメニューでも冷や奴から湯豆腐を注文する人が増えました。
猛暑から一気に秋へ突入。

体調不良の話や元気印の静荷さんが欠席と、
ちょっと淋しい始まりでしたが、選句をしたり感想を言い合っているうちに皆元気になってきましたね。
やっぱりおしゃべりにはパワーがあると思います。
辛いときにはちょっと無理してでも出かけると
意外に気持ちも晴れることもあるようです。
575の句会がそういう存在として続けられたいいですね。

さて兼題の梨。いろんな人が梨を食べました。
一人で食べる人。二人で食べる人。僧侶。亡き母。病を得た人。亡き父を思い出した人。
登場しない人はナシ?

リンゴではなく梨が持つ特性は何か?
水分の多さ、食感、なんともいえない甘さ、芯に注目した人も。。。
一個の梨がいろんな場面を想像させ、思い出をたぐり寄せてくれました。

ところで「妣」が亡き母を表す言葉だということを初めて知りましたが
その反対語の亡き父を表す言葉が「考」だということも勉強させて頂きました。

最後には100円ショップで購入されたという扇子まで登場し秋扇でしめくくり。
猛暑から解放された句会でした。
来月はぱさついた心や体も潤わせるような「露」がお題です。
朱露さんの本領発揮の句会となることでしょう。
皆様夏の疲れがでませんようにご自愛下さいね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夜明け前虫噺聴きまた絶望     朱露

2010年09月16日 | Weblog

       虫の詩人の館々長奥本大三郎さん。
       今朝枕元で一時間「虫噺」を聴く。
       虫は落下しても死なないが人間は?
       高所恐怖症の私は虫ケラにも劣る!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ちょっと人キライになって九月来る   遅足

2010年09月15日 | Weblog
船団の岡野ドクターの診断です。

ライトヴァースの典型か。
キライとカタカナにしたのが臭みにもなるが、
漢字をつかいたくない気持は分かる。
「嫌い」だといくらちょっとだとことわっても
この空っぽな感じは阻害される。
要するに無内容に近く、
限りなく意味の表出を低く抑えようという狙いです。
まあこういう時はいつでもありますが、
夏の終わりに何かあったんだろうなあと思わせます。

   

ありがとうございます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

師の訃報八十九才秋深し   朱露

2010年09月15日 | Weblog

   十八才の時フランス語を教わった。
   相当な年に見えたが三十才の青年。
   永戸多喜雄(えいとたきお)さん。
   この学校は先生を「さん」で呼ぶ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

静寂の湖   鳥野

2010年09月14日 | Weblog
宗匠が静寂の湖を詠まれた一首を拝見し、ワタクシめは、湖北の「余呉湖」を想い出しました。

 近江は”土までも優しや”といわれる人情の里。琵琶湖東岸の北部はまた、観音の宝庫でもあります。
そのうちの一寺、渡岸寺の十一面さまは、なんという美しさ。おおらかさ。
夫ともども、その慈悲に惹かれ、なんどもお会いに行ったものです。

そして、今ひとつの魅力が余呉湖。大湖の琵琶湖の北東、賤ヶ岳で隔てられ、
まるで忘れ物めいた、小ささです。

別名を鏡湖というほどに静かで、波立つことなく、鳥の影さえ見当たりません。

落ち込んだ時、さびしい時、行き詰まった時、湖畔をゆっくりと歩けば、
なにかしら救われる思いがする湖です。

 ・ 風も死に水皺も見えぬ余呉の湖(うみ)わたしの鬱は投げずにおこう

                       鳥野
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

9月句会の投句が集まりました。  遅足

2010年09月13日 | Weblog
さしもの猛暑も今日は一段落、
明日からは秋らしくなるようです。
秋といえば「梨」。いろいろな梨が集まりました。

   

題詠「梨」

①梨むいて一人静かに愚痴こぼす
②シャリシャリと梨食む不協和音かな
③点滴終え梨一切れの甘さかな
④梨重し汝は猛暑にて肥りしか
⑤もぎ立てをサラダに添えて庭の梨
⑥説教の僧の破顔や梨の皿
⑦梨をむくこの剥き方は父のもの
⑧梨噛めば運動会の味がする
⑨梨の実の黒文字伝う甘露かな
⑩梨ひとつ貰ってスキップ帰り道
⑪さくさくと梨食む妣の糸切歯
⑫梨の実の食べきれぬままベッド脇
⑬深層に秘密の如く梨の芯

 
自由題
 
①目覚むれば今宵はフォルテ庭の虫
②音たてて木の実の睦み合う日かな
③虫の音の止みて明け待つ長さかな
④秋ともし素描の人の背中かな
⑤寒狭川夢幻の下り簗
⑥手より手に鐘鳴らし継ぐ終戦忌
⑦刺身用てふさんま美(は)し一尾買ふ
⑧君と聴く銀河をめぐる虫の声
⑨新涼や刺つつみ込む水の玉
⑩何もかもぱさついたまま秋に入る
⑪推敲の文(フミ)塚埋む(ツカウム)と凌霄花(ノウゼンカ)
⑫脳の中虫の音響くテント泊
⑬品切れと百円ショップの秋扇

自由題も面白いですね。
さて、どんな結果が待っているのでしょうか?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

秋の人戦後のままに七十年    朱露

2010年09月13日 | Weblog


    七才で戦争が始まり十一才で終った。
    「見るべきものは見た」とは生意気。
    その後六十数年不機嫌のまま生きる。
    民放のアナウンサーとは笑止千万也。 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水澄むや水に無数の傷の跡    遅足

2010年09月12日 | Weblog
東西句会に出した句です。
荻原先生のコメントです。

「水澄む」と「水に無数の傷の跡」は「や」で
切れているというよりも、ほぼイコールの意味。
傷の跡とは目に見えるものではなく、
記憶のようなものだとは思うが、
それでも観念的にはならず、
現実の風景としてすっきり詠めている。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天烏地には蟋蟀人パソコン   朱露

2010年09月12日 | Weblog


      午前七時この句を作るためパソコン。
      北山の烏どもがわめき足元は秋の虫。
      三日前から一人居で身の始末に困る。
      「天地人」などと御大層な事を言う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戦後すぐ目白を飼って鵯撃つ   朱露

2010年09月11日 | Weblog

     目白は夏で鵯(ひよどり)は秋になる。
     「季重なり」だが事実だから仕方ない。
     真鶴から小田原へ目白を買いに行った。
     鵯は蜜柑畑で撃ち焼き鳥にして食った。   

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

銀の波拡げて富士の芒原   光洋

2010年09月11日 | Weblog
杉山光洋さん。
放送局に勤めていた私が、最後に仕事を
一緒させていただいた方です。

   妻逝きてよりの厨に黴のもの  光洋  

伴侶を亡くされた方たちの会を取材していて出会い、
ラジオの番組に出演して下さいました。

その後、575の会にも参加していただいていましたが、
しばらく前から投句が途切れて、心配していました。
先日亡くなられたとの知らせにビックリ・・・

  芒野の風に旅情深まりぬ   光洋

    

杉山さんは本が大好き。
自宅の本棚はキチンと整頓され、本が一杯。

  草枕読み返しをり漱石忌
  孫子来て寄鍋囲む夕餉かな
  新刊の一書を開く白露の日

定年間近に、ご自身もガンに・・・
出世競争からおりました、と少し淋しそうな顔でした。

  ネクタイをゆるめて凌ぐ極暑かな
  夕立に濡れたネクタイより外す

ネクタイのよく似合う方でした。

  凛として天をつらぬく冬木立  光洋

自画像のような句です。

光洋さんの句をいくつか紹介させていただきました。
心よりご冥福をお祈りします。
                   遅足

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

持っててと言われて持っている残暑    遅足

2010年09月10日 | Weblog
この句、東西句会に提出してみました。
お二人が取って下さいました。
二村さんは、「具体的な景色や状況がどうというよりも
いかにも持て余している感じが残暑らしい」との評。
荻原先生は既視感があるとのこと。

パクリの遅足としては既視感があると指摘されると
反論の余地がありません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

掘り出しの時代物読む夜長かな    朱露

2010年09月10日 | Weblog

      私には無名の若い作家のデビュー作。
      ここ数年これほどの快事はなかった。
      あの隆慶一郎に飛びついた時と同じ。
      教えろと言われても教えません絶対。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山陰に鳥居を望む秋思かな   朱露

2010年09月09日 | Weblog

  北窓の外は、県道、家並、山麓、寺という具合です。
  「山陰」は「ヤマカゲ」と読みます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

爽やか   麗

2010年09月09日 | Weblog
台風9号の影響で昨日は庭の水やりからも解放され夕べは初めて
途中覚醒なく朝までぐっすり眠れました。
身体が楽です。きっと植物もそうでしょう。

少し涼しくなるとこれまでさぼっていたことに少し目がいきます。
手入れを怠っていた眉毛のカット。
曇った窓ガラスを拭いたりいつもより家事もはかどります。
この調子で俳句作りまでいくといいのですが。。。「梨」これまた苦戦しそう。。。

     鰯雲怠惰な私を許してね   麗
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする