575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

手あぶりの炭尽きたまま選句かな   結宇

2019年01月15日 | Weblog

選句の難しさを詠んだ句。
俳句を始めた時は、好きな句を選べば、
と気楽に考えていましたが、これが意外に難しい。
どんなモノサシで選んだら良いのか?
なんとなく心惹かれる、共感できる句を選びます。
いくつか選び出して、さらに順位をつけていく。
そのためには、句にどんな発見があるのか?を
決めなくては・・・。

つまり、①共感できるか?②発見があるか?
これがモノサシ。言うほど簡単ではありません。
共感と発見はある時は排除しあうものだから。
時間が経つのも忘れてしまいます。

選んだ理由を説明できるようになれば、
選句も一人前と言えますし、確かに一歩、
上達するようです。遅足
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冬の時化髭面むさきコップ酒  能登

2019年01月14日 | Weblog

時化(しけ)。辞書に寄れば
①海が(暴風雨で)荒れること。
②海が荒れて魚類が取れないこと。不漁。
③転じて、不景気。興行の不入り。
と、あります。

冬の季節風で海は大荒れ。
日本海、あるいは北の海を連想しました。
まだ昼過ぎなのに居酒屋では男が一人。
裸電灯の下でコップ酒を。
何日もあたっていない髭面は「むさい」
きたならしい。きたなくて気味が悪い。

どんな男を想像されますか?高倉健?田中邦衛?
いいですね。男盛りのこうした姿。
どこか女ごころを惹きつけるものがあるようです。

映画の一齣のような一句。
物語はどんな展開をみせるのでしょう?(遅足)

  たちあがる冬波はまた男波  朝倉和江
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着膨れて思考鈍るや木偶の坊  すみ

2019年01月13日 | Weblog

私は自転車かバイクで移動。そのため冬は厚着。
しかし厚着をすると動作が鈍くなります。
そして作者の指摘通り、思考もスローモーション。
下五の木偶の坊もコミカル、と殿様。

寒に入っての寒さ、冷たさ。身に沁みます。
何枚着ているのか?6枚でした。
去年より一枚多く重ね着をしています。
外出時はさらに一枚。合計7枚が歩いていることに。

昨日は豊田市の能楽堂で『竹生島』を見ました。
暖房が効いていて暑いくらいでした。
ついつい途中でこっくりと・・・すみませんね。
   
  なりふりもかまはずなりて着膨れて  高浜虚子

  着膨れてただおろおろと老いてゆく  田中湖葉

  着膨れてなんだかめんどりの気分  正木ゆう子

こんな句を読んでいると、すみさんの句も

  着膨れて木偶の坊にとなりにけり

と、すっきりさせても良いかも知れませんね。遅足


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山形一泊の旅 ~ 北前船と河村瑞賢 ~ 竹中敬一

2019年01月12日 | Weblog

酒田市発行のガイドブックによると河村瑞賢は 江戸時代 「 人口増加に

より米の需要が増した江戸に向け、年貢米を安全に届けるための航路を

開いた人物 」とあります。

酒田市立資料館で見たこの人物に関する資料から、河村瑞賢( 1618 ~

1699 ) は、三重県度会 ( わたらい ) 郡東宮村 ( 現 ・南伊勢町 )の生まれ。

貧農から身を起こし、江戸に出て車夫、人夫頭などを経て、材木商を

営む。明暦の大火( 1657 )に木曽の木材を買い占め巨利を得て豪商に

なったという。

幕府の命令を受け、江戸へ物資を運ぶための東回り、西回りの航路を

開いた。

寛文 12 年 ( 1672 )、幕府の御用商人である河村瑞賢は酒田へ派遣され、

最上川を通じて運ばれた米などの物資を日本海から下関を経て大阪、江戸

へ向かう西回り航路を開発したという。

これによって酒田はこの航路の拠点となったわけです。

私は北前船といえば、日本海沿岸から瀬戸内海を経て大阪までと思って

いましたので、それが瑞賢によって江戸まで航行していたことを知りました。


私は長年 、テレビの報道部門にいて、愛知、岐阜、三重の各地を取材

していますが、河村瑞賢のことは、何も知りませんでした。

南伊勢町の役場に電話してみたところ、出身地でもこの人物を顕彰する

ようになったのは、平成に入ってからのようです。

昭和63年から平成元年にかけて実施された 「 ふるさと創生一億円事業 」で、

南伊勢町は河村瑞賢の生誕地 、東宮 ( とうぐう ) 地区を公園として整備。

関係者が山形県の酒田市を訪問して瑞賢の業績を調べ、日和山公園にある

銅像を参考にして、平成2年、この公園に瑞賢の銅像を建てたということです。

生家などは 残っていないそうです。


私の故郷、福井県小浜市も北前船 ( 千石船 ) の寄港地で、西津地区には

廻船問屋として栄えた豪商 古河屋の別邸が今も残っています。
                               つづく


写真は山形県酒田市の日和山公園にある河村瑞賢の銅像。
瑞賢は三重県度会郡南伊勢町の生まれ。

          

江戸時代までは荷物を運ぶには船が一番。
馬など陸上の交通網は発達していませんでした。
それが根本的に変わるのが鉄道と高速道路の建設。
以後、水運は急速に忘れ去られていったようです。
河村瑞賢は今でいったらゼネコンの社長でしょうか?
もっと偉いかも。  遅足








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水仙や電話に詐欺の話あり   遅足

2019年01月11日 | Weblog

「オレオレ」と、遠く離れて住む孫を装って、
銀行口座に大金を振り込ませるオレオレ詐欺。
世間に注目されるようになったのは
案外、新しく21世紀に入った頃と言います。

警察は「振り込め詐欺」と名付けて対策に。
一方、犯人は、還付金詐欺、架空請求詐欺、
と次々に新しい手口を開発。
被害者・警察との知恵比べを一歩リード。
被害額は増え続け、一時は年間500億円にも。
最近ようやく対策の効果が出始めているとも。

昔の旅館には、ガラスでかこまれた電話ボックスが。
ラッパのような電話器。水仙の花に似ていました。
電話が最初に実用化されたアメリカ。
早くも他人になりすましてのイタズラが記録されています。
おれおれ詐欺の祖先でしょうか。

家制度が崩壊し、個人がばらばらになった現代社会。
老後のために蓄えた虎の子預金が狙われています。

お正月休みもおわり、仕事始め。もちろん詐欺師たちも。
インフルエンザと振り込め詐欺にはご用心。
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今年の一文字   麗

2019年01月10日 | Weblog
先日、犬山城のふもとにある針綱神社に初詣に行きました。
そこで、おみくじをひきました。ここのおみくじには今年の一文字が書かれています。去年は「潔」という一文字でした。

そして、今年2019年はなんと「輝」という文字でした。しかも、大吉!長い道のりに思えてもそれは夢を実現するための近道。深き闇を知り、本物の輝きを手に入れるでしょうとのこと。
そして、この文字に縁のある仕事がよいと。。

そんな職業は思い当たらないけど、実は今、私は宮本輝さんの本に夢中なのです。
宮本輝のお父さんをモデルにした大河小説。戦後の闇市の場面からスタートし、波乱万丈の物語。作者が37年かけて書きあげた「流転の海」シリーズ全9巻が去年末、ついに完成したのです。
今年の読み初めは、なんと「輝」さんだったことに、おみくじを引いたあとに気がつきました。
今、第2巻「地上の星」を読んでいるところです。
このあとの展開が楽しみ!輝く新年の始まりです。
 
   読初めは流転の海となりにけり   麗




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失物を探して暮るる木守り柿  郁子

2019年01月09日 | Weblog

大切なものが見つからない。あちこち探しても・・・。
いつの間にか夕暮れに。
見上げる空には、ぽつんと木を守っている柿がひとつ。
ちょっと孤独な一日が暮れようとしています。
一体、何を失くしたのでしょうね。

  初夢の鳥失せものを銜へきし  品川鈴子

探し物をする時のおまじないがあるそうです。
普段使っているハサミの歯の部分を
輪ゴムなどでぐるぐる巻きにします。
そして、「○○を見つけてください、
見つかったら使えるようにします」と唱えます。
探し物が見つかるまで絶対に使いません。

すると・・・必ず見つかるそうです。
見つかったら、ゴムを外してお礼を言って、
紙を切ってあげて元の位置にしまいます、とのこと。

このおまじない私は知りませんでした。
知っていたら失くしたお年玉、出てきたかも。

  片方の手袋落ちて失せ物に  遅足
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並び家の境にひそと花八つ手  晴代

2019年01月08日 | Weblog

薄暗く狭い隣家との空間。
隠れるようにひっそりと咲いた白い花の情景が浮かびます。
ちなみに、数えてみたら八つ手の葉は8枚ではなくさまざま、と殿様。

八つ手には「ひそと」が似合いますね。
それは八つ手が陰樹で、日陰でも育つ植物だからです。
また葉には魔除けの力があるとされています。
難を避けるとされる南天と似たような植え方がされています。

冬に咲く白い花は虫媒花。昆虫の少ない時期に開花。
このため多くの昆虫を引き寄せる必要から甘い蜜を蓄えています。
集まってくる昆虫にはアブ、ミツバチ、ハエ、など。

  日向より日蔭が澄みぬ花八つ手  馬場移公子

  日暮まで蝿のまどろむ花八つ手  白岩三郎

新しく建つ家には八つ手や南天はありませんね。遅足
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この爪は○○○○爪をしらぬ爪七つの色に彩られつつ  遅足

2019年01月07日 | Weblog

突然ですが、クイズです。この○○○○のなかに入るのは?

今日、七日は人日(じんじつ)の節句。七草がゆを食べる日です。
七草爪(ななくさづめ)といって、初めて爪を切った日でもあります。

答えは『ななくさ』でした。

準備として、まず、水を入れた茶碗などに七草を浸して置きます。
ここに指を入れ、やわらかくしてから切ります。
こうすることで、邪気をはらい、その年は風邪をひいたり、
病気になったりしないとされていました。

  みどりごも七草爪といふことを  西村和子

春の七草がスーパーで売っている時代。
この風習、季語としては残っていますが、まだ、行われているのでしょうか?


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友の書の安座の二文字冬館   佐保子

2019年01月06日 | Weblog

友人の書道展に。全国から沢山の書が集まっていました。
受付で一覧表を見て展示されている部屋を探して・・・
ありました。

『安座』と大きく二文字。

辞書に寄れば、安座とは
①落ち着いて坐ること。くつろいで坐ること。
また、あぐらを組んで楽に坐ること。
②危急の場合などに、何もしないでのんびりしていること。
③安らかにいること。安泰。また、安定させること。

季語は冬館。どっしりした洋風建築の家です。
作者は書道展の会場を冬館として鑑賞しています。
安座という言葉と冬館。どことなく通ずるものも。
こういう作り方も楽しいですね。(遅足)

  次の間も利休の軸や冬館  高越素堂
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山形一泊の旅 ~ 一日目 ~ 竹中敬一

2019年01月05日 | Weblog

山形は今、すっかり白一色だろうなぁと思いながら、昨秋 行った山形

の旅のことを書いています。


障害のある息子は2年前に施設に入居してくれて、私も多少、自由に

なりました。

今回の旅は、列車やバスを乗り継ぎ、出来るだけ効率良く移動する

プランを立てた為、乗り継ぎの待ち時間もせいぜい30分位に組んだ

のはよかったのですが、自分が高齢で足も遅く行動が鈍いということ

を忘れていました。

自分が立てたプランにもかかわらず、乗り継ぎの度にスケジュール表を

出して、乗物の出発時間を確かめていました。物忘れの速さにまず、

がく然。

一泊二日の旅では、二回、昼メシは移動中にとることになります。

最初は高速バスで空港からJR山形駅に到着後、山形新幹線で新庄まで

行くのですが、駅構内に立ち食いそば屋があったので、入ってみると満席。

発車までにはとても間に合わないので、今度は新庄駅に隣接するそば屋

に行ってみたが、ここも待っていたら、目的地の酒田方面へ行く列車に

乗れず、結局、駅構内の売店でおにぎり一個を買って、新庄発余目

( あまるめ ) 行の陸羽西線 愛称 奥の細道最上川ラインに乗りました。

どこの駅構内にも駅弁や色々、食べる物は勿論、あります。しかし、

私は腎臓病のため外食の場合、ざるそばと決めているのです。

10月28日、天気予報は曇り時々雨でしたが、新庄を出発した頃は、

幸い時々 晴れ間もあって車窓から最上川を望むことができました。

ところが、日本海側に近ずくにつれて雨模様。

余目駅 ( 庄内町 余目 )で予約していたタクシーに乗って20分位で酒田

市内へ。まず、山居( さんきょ )倉庫 を見学しているうちに、雨も上がり、

割合、気に入った写真が撮れました。

続いて、酒田の豪商 本間家旧本邸を見た後、市内が一望できる日和山

公園へ。私がこの酒田へ来たのは、北前船のことを知りたかったからです。

日和山公園の池にはその北前船の復元船 ( 二分の一 )が浮かんでいます。

私が興味を持ったのは、公園内に立つ河村瑞賢という人物の銅像でした。


次回はこの河村瑞賢と三重県との知られざる関係についてお伝えします。



写真は山形県酒田市にある本間家旧本邸。本間家は日本有数の大地主。

酒田を拠点に米取引や北前船交易で莫大な富を築いたそうです。

             

旅先で新しく興味をひかれるものに出会う。旅の楽しみのひとつですね。

取材魂を呼び覚まされたようですね。遅足






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生き生きとテレビのなかの四日かな  遅足

2019年01月04日 | Weblog

お正月・三が日が終わり、仕事が始まるのが四日。
日常の生活が戻ってきた感じがします。これも季語。

  三ケ日早や過ぎ四日遅々と過ぎ  星野立子

テレビの世界も録画物が少なくなり、いつもの生放送に。
生と言えば、ニュースですが、各局の視聴率が低下しているとか。
スマホなど新しいメデイアの普及のせいもありますが、
生の新鮮さを失ってきているのではないでしょうか?
同じような項目と切口、上から目線のコメント・・・。

新年早々、暴走事故・地震とさまざまな出来事が。
テレビで知って新聞で確認する世代。
もう少しテレビに頑張ってほしいと思っています。

  帰る子を四日の駅に見送れり  船坂ちか子
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今年もよろしくお願いいたします。   麗

2019年01月03日 | Weblog
お正月も早三日。おせちも完食。駅伝をテレビ観戦という穏やかな日でした。
初詣も近所の氏神様にお参りしました。
今年も健康で恙なく過ごせるようにお願いしました。

晩ご飯の支度をしていたら、お正月気分を吹き飛ばすような震度6の熊本の地震。改めて「災」のない一年でありますように祈りました。
今年はどんな名句と出会えるでしょうか?新しい季語に挑戦することを目標にがんばります。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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お隣へも他県ナンバー二日かな  遅足

2019年01月02日 | Weblog

初詣は近くの神社へ。普段なかなか、お会いできない方と
顔をあわすことも、初詣の御利益のひとつ。
町内を歩くと、他県ナンバーの車が目に止まります。
お盆とお正月の里帰り、関東の車が多いですね。

我が家も関東から里帰り中ですが、新幹線です。
明日からUターンが始まり、町内ももとの佇まいに。
二日。元旦とはまた違った晴れやかさが感じられます。


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初夢や宇宙の記憶残りけり  遅足

2019年01月01日 | Weblog
明けましておめでとうございます。
昨年はいろいろお世話になりました。
交通事故で宇宙遊泳をしていましたが、
無事帰還できました。
今年もよろしくお願いします。

俳句をかじり始めて20年。
年を経るにしたがい、上達もストップ。
自己模倣の超マンネリな状態。
ここから一歩でも良い。抜け出したいです。

さしあたり次の2点を心がけたいと思います。
①今まで使ったことのない季語で句を作る。
②写生に挑戦する。できれば新しい場所に吟行に。

みなさんの厳しいご指導をお願いします。
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