教科書でおぼえた名詩文芸春秋このアイテムの詳細を見る |
本書は昭和二十年代から平成八年までの日本の中学、高校の国語教科書五百余冊の中から、誰もが知っている二百五十篇の詩、漢詩、訳詩、短歌、和歌、俳句を精選した愛唱詩歌集。青春時代がチョッピリ蘇る。知らないものもかなりあったが。
本書の中から、私のお気に入りは「一個の人間」(武者小路 実篤作)
自分は一個の人間でありたい。
誰にも利用されない
誰にも頭をさげない
自分は一個の人間でありたい。
他人を利用したり
他人をいびつにしない
そのかはり自分もいびつにされない
一個の人間でありたい。
自分の最も深い泉から
最も新鮮な
生命の泉をくみとる
一個の人間でありたい。
誰もが見て
これでこそ人間だと思ふ
一個の人間でありたい。
一個の人間は
一個の人間でいゝのではないか
一個の人間