日本男道記

ある日本男子の生き様

長いお別れ

2017年06月17日 | 読書日記
長いお別れ (文春e-book)
クリエーター情報なし
文藝春秋

◆内容紹介◆
帰り道は忘れても、難読漢字はすらすらわかる。
妻の名前を言えなくても、顔を見れば、安心しきった顔をする――。

東家の大黒柱、東昇平はかつて区立中学の校長や公立図書館の館長をつとめたが、十年ほど前から認知症を患っている。長年連れ添った妻・曜子とふたり暮らし、娘が三人。孫もいる。

“少しずつ記憶をなくして、ゆっくりゆっくり遠ざかって行く”といわれる認知症。ある言葉が予想もつかない別の言葉と入れ替わってしまう、迷子になって遊園地へまよいこむ、入れ歯の頻繁な紛失と出現、記憶の混濁--日々起きる不測の事態に右往左往するひとつの家族の姿を通じて、終末のひとつの幸福が描き出される。著者独特のやわらかなユーモアが光る傑作連作集。

◆内容(「BOOK」データベースより)◆
帰り道は忘れても、難読漢字はすらすらわかる。妻の名前を言えなくても、顔を見れば、安心しきった顔をする―。認知症の父と家族のあたたかくて、切ない十年の日々。

◆著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)◆
中島/京子
1964年生まれ。2003年、田山花袋『蒲団』を下敷きにした書き下ろし小説『FUTON』で作家としてデビュー、野間文芸新人賞候補となる。2010年『小さいおうち』で第一四三回直木賞を受賞、2014年山田洋次監督により映画化される。同年『妻が椎茸だったころ』で第四二回泉鏡花文学賞を受賞。著書多数

【読んだ理由】
茶者のラジオ出演番組を聞いて

【印象に残った一行】
母の記憶から自分が抜け落ちていくプロセスを、晴夫は少しずつ、少しずつ体験した。行けば必ず、よく来たね晴夫、仕事はどうなの、と聞いてくれた母が、いつのまにか名前をよばなくなり、彼自身の弟の名前と混同するようになり、それすら出来なくなっていくのを、静かに遠ざかって行く引き潮のように感じていた。そしてその潮がもう二度と寄せては来ないことを、よくわかっていた。

夫は妻の名前を忘れた。結婚記念日も、三人の娘をいっしょに育てたこともどうやら忘れた。二十数年前に二人が初めて買い、それ以来暮らし続けている家の住所も、それが自分の家であることも忘れた。妻、という言葉も、家族、という言葉も忘れてしまった。
それでも夫は妻が近くにいないと不安そうに探す。不愉快なことがあれば、目で訴えてくる。何は変わってしまったというのだろう。言葉は失われた。記憶も。知性の大部分も。けれど、長い結婚生活の中で二人の間に常に、あるときは強く、あるときはさほど強くもなかったかもしれないけれども、たしかに存在した何か同じものでもって、夫と妻とコミュニケーションを保っているのだ。

【コメント】
わが身の近未来か。避けられるものであれば避けたいが。その為の手立てはあるのか?第5回日本医療小説大賞。

Daily Vocabulary(2017/06/17)

2017年06月17日 | Daily Vocabulary
19986.flighty(とっぴな、軽はずみな、気まぐれな、気の違った)レベル:25
But to her, I had looked flighty.
19987.stick with(押しつける、固執する、守る、忠実である)
He words have stuck with me ever since.
19988.workout(トレーニング)
Ready for a workout with a Physical Therapist.
19989amateurish(しろうとらしい、しろうとくさい、未熟な)レベル:15
I am terribly sorry about the amateurish question.
19990.enthusiasm(熱中、熱狂、熱意、感激、熱中させるもの)レベル:4
I had only meant to express my enthusiasm and interest in the job.

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