日本男道記

ある日本男子の生き様

今日われ生きてあり

2005年08月31日 | 読書日記
今日われ生きてあり

新潮社

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僕の生命の残りをあげるから、おばさんはその分、長生きしてください―。特攻隊少年飛行兵たちはこの上なく美しく、限りなく哀しい言葉を遺して空に散っていった。その散華は国や天皇のためでなく、愛する妹、愛慕する父母、愛しい恋人のための勇敢な飛翔であった。そのあまりにも純粋で無垢な魂の呻吟を遺された手紙、日記、遺書、関係者の談話により現代に刻印した不滅の記録。
戦後60年、「戦争を知らない子供たち」も還暦を迎えようとしている今日、特攻隊として鹿児島の知覧空港から飛び立った少年たちの最後の声を聞いてみた。
以下、その一部を紹介する。
『心充たれてわが恋かなし・・・穴沢利夫(少尉)の遺書(部分)
しかし、それとは別個に、婚約をしていた男性として、散っていく男子として、女性であるあなたに少し言って征きたい。
「あなたの幸せを願う以外に何物もない」
「徒に過去の小義に拘る勿れ。あなたは過去に生きるのではない」
「勇気をもって過去を忘れ、将来に新活面を見出すこと」
「あなたは今後の一時々々の現実の中に生きるのだ。穴沢は現実の世界にはもう存在しない」
極めて抽象的に流れたかも知れぬが、将来生起する具体的な場面々々に生かしてくれる様、自分勝手な言葉ではないつもりである。
--当地はもう桜も散り果てた。大好きな嫩葉(※)の候が此処へは直に訪れることだろう。いまさら何を言うかと自分でも考えるが、ちょっぴり欲をいってみたい。
一、読みたい本 「万葉集」「芭蕉句集」「高村光太郎の「道程」三好達治の「一点鐘」大木実の「故郷」
二、観たいもの ラファエルの「聖母子像」狩野芳崖の「悲母観音」
三、聴きたいもの 懐かしき人々の声 シュトラウスワルツ集
四、智恵子 会いたい・・・・話したい・・・無性に・・・』(本文より)
※嫩葉(どんよう)=若葉



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