十三の第七芸術劇場で映画「日本の悲劇」を観ました。日本を代表する俳優の一人仲代達矢を相手に、私は初めて知った北村一輝という俳優が今を生きる人間を
熱演というか成りきるというか、辛い役を演じきっていました。失職し、離婚した妻子を実家のある気仙沼で津波に持っていかれ、意識が戻らないまま4年看病した母を亡くす。
そして仲代が演じる父も肺がんで余命3ヶ月。たった一人残る息子のために父が出来る事、それは自分の年金で出来るだけ長く子の生活費を支える事だった・・。
母親役の大森暁美、妻役の寺島しのぶ。大森暁美は昭和33年から5年ほど続いたNHKのテレビドラマ「バス通り裏」に十朱幸代の姉役かのレギュラーで出ていた女優さんだ。
50年ぶりにスクリーンで彼女に出会った。娘役の人が妻役になり母親役になる、そんな歳月が流れている。今も出ておられることに嬉しかった。
ところで、映画「日本の悲劇」、題名はおどろおどろしいが、明日は我が身と思って観てくれという監督の作劇の狙いは当たりだと思いました。
舞台劇か能か狂言を長回しで撮影しているような珍しい作りにはイライラさせられるが、その間にあんたとこはどうやと観客に考えさせる狙いでしょう。
いずれにせよ「日本の悲劇」という題名は私には頂けません。ただ代案を出せと言われても思い浮かびませんが・・。観て良かった映画と思いました。
公式サイトはこちら。