阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

映画「マンチェスター・バイ・ザ・シー」を観ました。

2017年05月27日 | 音楽・絵画・映画・文芸
銀座百点5月号の映画欄

映画を観終わってすぐ頭に浮かんだのは、アメリカにも「脚本家 山田太一」はいるんだ、という思いでした。
 映画の序盤で亡くなる兄。その兄の子の面倒を見ることを兄の遺言で頼まれてしまった、それまで町を離れてボストンで暮らしていた弟。
16歳の甥とのこれからの生き方についての様々な二人の口論と葛藤。その日々がある状況に落ち着くまでが淡々と、しかし主役の弟と
その連れ合いの過去の事件から来るそれぞれの心の闇が深く描かれて行きます。
彼には生まれ故郷の「マンチェスター・バイ・ザ・シー」を離れてボストンで暮らすしかない過去があった。
 それらのことがめまぐるしく多用されるフラッシュバックで徐々にわかってきます。
それぞれが個としては自分の人生を主役として生きるアメリカ人の夫婦関係の在り方は日本人のそれとは違う。
だからまた、その二人の間に生まれた子供たちが置かれる環境のある意味の過酷さ。
 なあなあで生きることを許さない主語がいつもある人間関係や、その社会で生きる連中が持たざるを得ない強靭さとしんどさ、そんなことも画面から感じました。
映画が進行するにつれ、こんな普通の人間を描く映画はハッピーエンドでなくてもいいから、せめて映画のドラマにエンドマークが出ても、
その先に何か明かるいものが少しだけでも予感できる終わり方であって欲しい、と思いながら観ていました。

そして映画は時にクスッと笑えるユーモアもちりばめながら、「山田太一」の脚本のようなエンデイングに向かってくれました。
 人はどんな状況になるか明日のことは私もあなたも誰もわからない。しかし人はどんな目に逢おうとも、それでも生きていかなければならない。
そんなことを感じさせられながら場内が明るくなるのを席に深くかけたまま待ちました。
 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」という町の景色はドラマの中では多く登場しませんが、オープニングとエンデイングシーンに美しく
描かれています。なんかとても懐かしい思いにさせられる景色です。それも含めてこの映画は観る価値のある映画だとお勧めします。
 
 余談① このカタカナの題名は何とかならないのか? どうして「海辺のマンチェスター」ではいけないのかと思っていたら、
なんとManchester by the sea というのが全体で正式な町名だそうです。
 余談②主演俳優はこの役柄の演技で今年のアカデミー賞主演男優賞を取った。私が知らないだけでそれなりのアクターのようだ。
脇役を含めて、アメリカ映画界の俳優の層の厚みと幅にはアメリカ映画を観るたび毎度毎度恐れ入るばかりです。
 余談③この映画を観ようと思ったのは姐さんから送っていただいた「銀座百点 5月号」の映画紹介欄を読んだからです。

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サツキがいま花ざかりです。

2017年05月27日 | 花・草・木・生き物




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夕食は鯵の塩焼きやレトルトのビーフカレー

2017年05月27日 | ある日の肴/夕食
ライスは雑穀米です。
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