これからきくのはバッハの初期のカンタータ、「深き淵より、われ汝に呼ばわる、主よ」(BWV131)です。歌詞はマルティン・ルター訳の同名詩篇130篇とバルトロメーウス・リングヴァルトのコラール「主イエス・キリスト、汝こよなき宝」。バッハ研究者アルフレート・デュルによれば、このカンタータは1707年のミュールハウゼンの大火をうけた、懺悔の礼拝のために作曲されたということです。全5曲はシンフォニアに導かれる合唱曲にはじまり、コラール付きアリオーソ、合唱曲、コラール付きアリア、合唱と続く構成。ここできくのはOVPPによるシアター・オブ・アーリー・ミュージックの胸に沁み入るような録音(2001年)。オーケストラの編成はBWV131では6名編成で、歌手はスージー・ルブラン、ダニエル・タイラー、ヤン・コボウ、スティーヴン・ヴァーコーの4人です。
CD : ACD2 2279(ATMA Classique)