今夜、本流をはずれて楽しむのは、アクセル・リクヴィンが2016年に録音した、「AKSEL! / Arias by Bach, Handel & Mozart」(Signum Records SIGCD435)です。リクヴィンは2003年生まれのノルウェーの歌手。CDの録音時にはボーイ・ソプラノ(トレブル)でしたが、いまは変声してバリトン歌手ということのようです。CDは表題どおり、ヨーハン・ゼバスティアン・バッハ、ジョージ・フレデリック・へンデル(ハンデル)、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの曲が18曲収録されており、ここではバッハではなくヘンデルに絞ってきくことにします。
ヘンデルの収録曲は、オラトリオの「ジョシュア」、「メサイア」と「サムソン」、オペラの「アルチーナ」と「リナルド」、「アン女王の誕生日のための頌歌」からのアリア(9曲)。人気の「私を泣かせてください」(「リナルド」)も収録されています。この曲はリクヴィンの「一番好きな歌」らしいですね(「【レポート】アクセル・リクヴィン君へのインタビュー」)。しっかりしていそうで、やはり幼さがある歌唱ですが、これはこれで楽しめます。今後はバリトン歌手として、大成してほしいものです。共演は、ナイジェル・ショート指揮、オーケストラ・オブ・ジ・エイジ・オブ・エンライトゥンメント。録音は、スポンサーやクラウドファウンディングの支援でおこなわれたとのことです。