梅雨空の日曜日にきくのは、三位一体節後第4日曜日のためのカンタータ「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」。このBWV177(全5曲)は、「1724年のコラール・カンタータ年巻の不足を補う意図をもって書かれ」(『バッハ事典』)、1732年7月6日の初演されました。ヨーハン・アグリーコラの同名コラール全節に音楽がつけられており、「神なしたもう御業こそいと善けれ」(BWV100)、「主を頌めまつれ、力つよき栄光の王をば」(BWV137)などと同じ、いわゆる全詩節コラール・カンタータです。
ここできく演奏は、マルセル・ポンセール(オーボエ)が指揮するイル・ガルデリーノによる録音(2010年)。イル・ガルデリーノの編成は、合唱(4声部)がコンチェルティスト(ソリスト)4名と、それを補強するリピエニスト(トゥッティスト)が7名、楽器のアンサンブルは総勢10名です。ヴァイオリン独奏の寺神戸亮のほか、ヴイオラには秋葉美佳が参加しています。また、ほかのアンサンブルでリーダーを務めているような奏者、フランソワ・フェルナンデスとソフィー・ジェント(ともにヴァイオリン)の名もみえます。
CD : Passacaille 969(Passacaille)