毎日バッハをきいていこう!

一日一バッハ




塚谷水無子著の『バッハを知る バロックに出会う「ゴルトベルク変奏曲」を聴こう!』(音楽之友社)は、塚谷の二つの録音のうち、大オルガンでの録音の体験談などをまとめたバッハ本。大オルガンでの録音→同書の出版→小オルガンでの録音と順番になるそうですが、すごく矢継ぎ早ですね。同書についてくわしくは、「クラシック・ニュース 著者 塚谷水無子『「ゴルトベルク変奏曲」を聴こう!』」の、塚谷本人のインタビューをぜひ。個人的な感想をいえば、録音における奏者の脳内がのぞけたようで楽しく、階名も一般的になじみのあるイタリア語表記、つまりドレミファソラシです。途中放棄せずに読んでもらいたいという意思がみてとれ、好感がもてます。ただし、序章に第16変奏、第28変奏、第29変奏がツカミとしておかれているので、完全な順番どおりでないのが難ありというところでしょうか。けっして研究書ではない、というと塚谷に失礼なのでしょうが、著者のCD「ゴルトベルク変奏曲」が手元にあるかたは、読んで損はしないでしょう。

バッハを知る バロックに出会う「ゴルトベルク変奏曲」を聴こう!

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オリヴィエ・ボーモンによるチェンバロ独奏用の協奏曲。これからきくのはニ長調の協奏曲(BWV972)で、原曲はアントニオ・ヴィヴァルディの「調和の霊感」作品3第9番です。力強いアレグロに続くラルゲットのリピエーノは、和音だけで構成されているような音楽。ボーモンは単調にならないように、アルペッジョにわずかに変化をつけて弾いています。

CD : 3984-25504-2(ERATO)

3984-25504-2

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雨の降る朝に楽しむのは、昨日からききはじめたオリヴィエ・ボーモンによるチェンバロ独奏用の協奏曲(録音は1998年)。今日きくのはBWV978で、原曲は、アントニオ・ヴィヴァルディの「調和の霊感」作品3第3番です。元気のよい両端楽章にはさまれた中間楽章(ラルゴ)は、いかにもヴィヴァルディ的な、気だるさのある美しい音楽です。

CD : 3984-25504-2(ERATO)

3984-25504-2

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今週のバッハは、オリヴィエ・ボーモンが1998年に録音した、アルバム「An Italian Concerto」から、チェンバロ独奏用の協奏曲を楽しみます。ボーモンは1960年生まれのフランスのチェンバロ奏者。ユゲット・ドレフュスやケネス・ギルバートに学び、グスタフ・レオンハルトのマスタークラスにも招かれたこともあるようです。ボーモンといえばフランスもの、という印象があり、バッハの録音はわずかで、おそらく2点。「An Italian Concerto」はそのひとつです。

アルバム収録の協奏曲は、「イタリア協奏曲」のほか、アントニオ・ヴィヴァルディ原曲の協奏曲を編曲した「イタリアの協奏曲」が6曲。収録順は番号順ではなく、ここでもその収録順に楽しむことにします。今日きくのはBWV976で、原曲は「調和の霊感」作品3第12番のホ長調のヴァイオリン協奏曲。使用楽器は、アンソニー・サイデイとフレデリック・バルによる1995年製のチェンバロ(ゴットフリート・ジルバーマン派の1735年製無銘の楽器による)です。

CD : 3984-25504-2(ERATO)

3984-25504-2

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三位一体節後第9日曜日にきくのは、鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンによる「われいかで世のことを問わん」です。このBWV94は、1724年8月6日に初演された、全8曲からなるコラール・カンタータ(コラールはバルタザール・キンダーマン)。この年の三位一体節後第9日曜日から同第24日曜日までは、カンタータに独奏フルートの技巧的なパートがあらわれる時期で、BWV94だと第1曲と第4曲がそれにあたります。鈴木たちの録音は2002年。独唱者は、野々下由香里、ロビン・ブレイズ、ヤン・コボウ、ペーター・コーイで、合唱にも参加します。フルート独奏は、菅きよみです。

CD : BIS-CD-1321(BIS Records)

BIS-CD-1321

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平尾雅子武久源造によるガンバ・ソナタ。一昨日の第1番、昨日の第2番ときいてきて、今日はその第3番(BWV1029)です。第1番と第2番は4楽章構成でしたが、この第3番は協奏曲風な3楽章構成。じっさい協奏曲として編曲された録音もあるくらいで、おだやかな中間楽章(アダージョ)をはさみ、前後(ヴィヴァーチェとアダージョ)はじつに活発な音楽が展開されます。イタリアらしいアダージョの甘美さは、この録音でもじゅうぶんに堪能でき、またヴィヴァーチェとアダージョもとても楽しめます。なお、二人の使用楽器は、ガンバがヨアヒム・ティールケ製(1695年ごろ)、チェンバロが久保田彰製。録音は1997年です。

CD : ALCD-1020(ALM RECORDS)

ALCD-1020

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昨日からききはじめた、平尾雅子武久源造によるガンバ・ソナタ。今日これからきくのはニ長調の第2番です。武久の新録(ガンバは市瀬礼子)ではフォルテピアノを弾いていましたが、ここではチェンバロ。そのため、くすんだ響きのヴィオラ・ダ・ガンバと、冴え冴えとしたチェンバロの響きの対比が、存分に楽しめます。

CD : ALCD-1020(ALM RECORDS)

ALCD-1020

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今日から週末まできいていくのは、平尾雅子武久源造によるガンバ・ソナタです。平尾は、ジョルディ・サヴァールやヴィーラント・クイケンに学んだ日本を代表するガンバ奏者。武久にはチェンバロとフォルテピアノを弾きわけた、市瀬礼子との2016年の録音もありますが、チェンバロのみのこちらは1997年の録音です。使用楽器は、平尾がヨアヒム・ティールケが1695年ごろに製作したヴィオラ・ダ・ガンバ、武久は久保田彰製作のチェンバロです。なお、アルバムには、C.F.アーベルとG.Ph.テーレマンのガンバ曲が併録されています。

CD : ALCD-1020(ALM RECORDS)

ALCD-1020

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昨日、一昨日に続き、今日もきくのは「ゴルトベルク変奏曲」(BWV988)。選んだのは高橋美由紀による2002年録音で、使用楽器は夫であるマティアス・クラーマーが製作(2001年)した、クリスティアン・ツェル(1728年)にもとづくチェンバロです。高橋はチェンバロをヴァルデマー・デーリング、ルドガー・レミー、グスタフ・レオンハルトに学んでおり、1986年のブルージュ国際コンクール(チェンバロ部門)で2位に入賞しています。ちなみに同年のコンクールでは、同じく2位に桒形亜樹子、5位に曽根麻矢子も入賞しています(3位はオッターヴィオ・ダントーネ)。

CD : 779 042-2(GLISSANDO)

779 042-2

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今日これからきくのは、昨日に続き塚谷水無子による「ゴルトベルク変奏曲」。今日きく同変奏曲は小淵沢の草苅ポジティフオルガン(草苅徹夫)による演奏で、録音は2013年です。昨日のハールレム(オランダ)の聖バフォ教会のオルガン(クリスティアン・ミュラー)による録音の翌年となるわけで、楽器をかえたとはいえ、同じ奏者の2年連続での同変奏曲の録音は前例がないことかもしれません。くり返しは完全不励行で、解説書の表記によれば全曲で42分42秒の演奏時間となっています。ちなみに、聖バフォ教会での録音は、変奏曲の7曲の、しかも前半のみがくり返されています。大小のふたつのオルガンでの録音では、透明感のあるレジストレーションが美しい、聖バフォ教会でのほうが好きですが、小オルガンもまた魅力があることはたしか。とはいえ、たて続けの録音には、「鉄は熱いうちに打て」的な、ちょっと販売戦略の臭いもあるような、ないような、です。

CD : PCD-1305(Pooh's Hoop)

PCD-1305

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今日これからきくのは、塚谷水無子による「ゴルトベルク変奏曲」。塚谷は東京藝術大学卒業後オランダに留学し、「パイプオルガン・作曲・即興演奏をヨス・ファン・デア・コーイに、 ピアノと室内楽をヴィム・レーシンクに、 チェンバロをロベール・コーネンに師事」(公式サイト)したケンバニスト(≒鍵盤楽器奏者?)。このアルバムでは、ハールレム(オランダ)の聖バフォ教会のオルガン(クリスティアン・ミュラー)を弾いており、オルガンによる同変奏曲の録音は、日本人としてははじめてとのことです。塚谷にはもうひとつオルガンによる録音があり、そちらは小淵沢の草苅ポジティフオルガン(草苅徹夫)で、それは明日にでも楽しむ予定です。

CD : PCD-1204(Pooh's Hoop)

PCD-1204

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三位一体節後第8日曜日にきくのは、カール・リヒターたちによる「人よ、汝はさきに告げられたり、善きことの何なるか」(1726年8月11日初演)です。このBWV45は2部からなるカンタータで、第1部が3曲、第2部が4曲という構成。リヒターたちによる録音(ARCHIV PRODUKTION 439 387-2)は、すでに60年近くもまえとなる1959年で、管弦楽と合唱はいつものようにミュンヘン・バッハ管弦楽団、同合唱団です。独唱は、ヘルタ・テッパー、エルンスト・ヘフリガー、キート・エンゲン。第5曲のアリアにおけるフルート独奏は、オーレル・ニコレです。

439 387-2

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ラインハルト・ゲーベルとムジカ・アンティクヮ・ケルンによる「ブランデンブルク協奏曲集」。今週はこのアルバムから同協奏曲を番号順にきいてきており、これから楽しむのは第6番(BWV1051)です。ゲーベルたちの演奏をきいて、もっともと驚いたのがこの第6番の第1楽章(テンポが速い!)。これをきくまえは、主従和気あいあいの演奏風景を想像していましたが、これだとケーテン侯が必死にくらいついている風景が想像されます。30年ほどまえの録音ながら、どの協奏曲も生気にあふれた演奏で、「ブランデンブルク協奏曲集」の演奏史において、分水嶺をなす録音だといえるでしょう。

CD : 423 116-2(ARCHIV PRODUKTION)

423 116-2

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ラインハルト・ゲーベルとムジカ・アンティクヮ・ケルンが、1986年から1987年にかけて録音した「ブランデンブルク協奏曲集」。これからきくのは、1987年録音の第5番(BWV1050)で、独奏は、フルートがウィルベルト・ハーゼルゼット、ヴァイオリンがゲーベル、チェンバロがアンドレアス・シュタイアーという強力な布陣です(弦楽と通奏低音は6人編成)。第1楽章ではやはりテンポが速いのですが、いまきくと、アグレッシブながらも前のめりなところはなく、危なげのないスピーディな滑らかさがあり、さほど過激さは感じられません。

CD : 423 116-2(ARCHIV PRODUKTION)

423 116-2

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ラインハルト・ゲーベルとムジカ・アンティクヮ・ケルンによる「ブランデンブルク協奏曲集」。今週はこのアルバムを番号順に楽しんでおり、れからきくのはト長調の第4番(BWV1049)です。ここでの弦楽と通奏低音は8名で編成されており、これにリコーダーのミヒャエル・シュナイダーとザビーネ・バウアー、ヴァイオリンのゲーベルが加わります。なお、第1番から第3番までは1986年の録音でしたが、第4番からは1987年の録音となります。

CD : 423 116-2(ARCHIV PRODUKTION)

423 116-2

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