週末から来週にかけて楽しむのは、ドミトリー・シンコフスキーの「BACH IN BLACK」です。アルバムは2016年、モスクワでの録音。アルバム副題は「violin concertos in minor keys & selected works for alto voice」(短調のヴァイオリン協奏曲とアルトのための[アリア]選集)で、この選曲からすれば、アルバム表題「BACH IN BLACK」は「黒衣のバッハ」というところでしょうか。ジャケット写真からは「暗黒面のバッハ」が想像されますが。
シンコフスキーは、11月下旬にきいていたドロテー・オーベルリンガーのアルバム「Small Gifts」にも参加してましたが、ここではラ・ヴォーチェ・ストルメンターレを率い、主役としての録音です。シンコフスキーは、1980年、モスクワ生まれのヴァイオリン奏者、歌手(カウンターテナー)。アグレッシブで即興性に富んでおり、数々のピリオド楽器アンサンブルとも共演し、また独奏者としても活動しています。
このアルバムには、シンコフスキー自身の独奏による3曲の短調のヴァイオリン協奏曲、そして自身の歌唱による3曲の短調のアリアが収録されています。ただし、ここできくのは、BWV1041(イ短調)、ともにチェンバロ協奏曲を原曲とする、いわゆる復元協奏曲のBWV1052(ニ短調)、BWV1056(ト短調)のヴァイオリン協奏曲のみ。今日まずきくのは収録順どおり、BWV1052を再構成したヴァイオリン協奏曲です。
CD : OP 30567(naïve)