三日つづいてきょうも里山の相撲は組まれていません。
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東幕8 薩摩響 5勝2敗○ 突き落とし●4勝3敗 大雷童 東幕12
← 薩摩響(さつま・ひびき)
自己最高位で、すでに勝ち越し決めている薩摩響は、相撲を取るのが楽しくてしょうがない、といった表情をしています。
土俵下の薩摩響の表情をカメラはきょうも、映し出します。
きびきびとした所作で土俵上にあがった薩摩響。
国際センターの場内アナウンスは、「鹿児島県大島郡宇検村(うけんそん)出身、境川部屋」と紹介します。
宇検村といえば、このブログでは、湯湾岳(ゆわんだけ)のソメイヨシノに観察でおなじみです。
宇検村は、奄美大島の西南部に位置する人口1,993人(2009年11月1日現在)の村ですが、薩摩響がこの一番に勝ちますと、来場所十両をねらえる番付に上がり、この宇検村から何十年ぶりかの関取誕生の期待がひろがります。
現在、北海道の現役関取は東十両九枚目 の若天狼(わか・てんろう)ただ一人ですが、奄美からは旭南海と、それに現在幕下で「調整中」の幕の内の経験がある里山とあわせて3人の現役関取が活躍するという楽しみも加わります。
身長168cm、体重113kの薩摩響、小柄ながら、独特の相撲スタイルで鋭い切れなある技で館内を沸かせ、次第に注目が高まっています。
小型のアンコ型の薩摩響に対し、典型的なアンコ型の大雷童(だいらいどう)は体重157キロ。
四股名の大雷童という漢字の形のようなお相撲さんらしい体型をしています。
突き押し得意。ご当所、福岡県大野城市出身。祖父は画家の福富雷童。
時間です。
かつての北の湖を思わせるような立ち合いの所作の薩摩響。
せっかちな、さいさいした動作で先に両腕をついて、大雷童が腰をおろすのを待ち構えています。
勝負はあっという間に決まりました。
薩摩響の立ち合いからの注文相撲でした。
注文相撲=「注文」とは「作戦」を意味する相撲用語。立ち合い、相手のあたりに真っ向から真っ直ぐに応じるだけでなく、巧みなという概念を含む変化を伴う。この場合の「変化」は、横綱は別として、多くの場合、積極的な意味で使われる。
(sumo bout that goes according to a wrestler's strategy)
ほんの一瞬、相手を見て立つ余裕の薩摩響、当たると同時に左に変化と同時に腕をとり、大雷童の突進する力を利用しての突き落としが見事に決まり、大雷童は土俵上で大きく一回転した。館内が、わーとどよめいた。