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『奄美の「借金解決」係長』 (単行本) 禧久 孝一 (著)

2010年01月21日 | 本と雑誌

100121book 奄美の「借金解決」係長 (単行本) 禧久 孝一 (著)

奄美の「借金解決」係長 (単行本(ソフトカバー))
禧久 孝一 きく・こういち(著)

日本全国の多重債務者の命を救う公務員

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出版社からのコメント

20年間、6000件以上の借金地獄を救って自殺者はゼロ。
NHK、朝日新聞でも紹介され、
ついには金融庁を動かした「奄美方式」のすべてを初公開!
禧久氏の対応は全国の弁護士、司法書士らと連携しての迅速な問題解決と、債務者の生活再生まで視野に入れることから「奄美方式」と呼ばれ、高い評価を受け、全国の自治体から視察が相次ぐなど注目を集めた。

単行本(ソフトカバー): 181ページ
出版社: 光文社 (2009/11/19)

発売日: 2009/11/19

著者が15年間当たり前のこととして取り組んできたことが「役所がそこまでやるなんて、初めて聞いた」とばかりに驚かれる、その内容とは

サラ企業者と直接、交渉したことがある
弁護士や司法書士の事務所に相談者と同行する
裁判所の調停に同席することもある
多重債務の相談に来た人を、役所の他部門につないで、生活をサポートし、
借金解決後の経済的自立支援についてのアドバイス
 
役所の他部門と連携を図り、他部門から紹介されてやって来る相諜者もいる
 
勤務時間外でも、ケータイで相談に応じている

など。

南の島小さな街が、なぜ「多重債務者救済のための全国のモデルケース」になったのか。

著者が「片田舎」と呼ぶ名瀬の街は、コンパクトで、人口は密集していて、徒歩や自転車で日常の生活は案外便利なのだ。街が人間的なサイズであり、人間関係も比較的緊密である。
そのことが、上にあげた著者の日常の取り組みを可能にしている側面、背景にあるだろう。

奄美諸島唯一の市だった名瀬は「片田舎」というイメージには収まりきれない群都としての機能をそなえている(このことは役場内を含め名瀬の人間関係を知る上でも重要である)。独特の歴史もある(明治期の砂糖をめぐる、市民ぐるみの借金対策に関する闘争の歴史もあるのだが、奄美の歴史自体があまりにも知られていない)

そうしたことを知り尽くした著者は、都会からやって来る弁護士や専門家と市民の架け橋ともなっている。

ときには、島の実情を理解しない弁護士にお引取り願ったこともあるというから頼もしい。

著者の取り組みは、他の分野でも奄美が全国にさきがけるヒントになるのではないだろうか。