普天間基地はあなたの隣にある。だから一緒になくしたい [単行本]
伊波 洋一 (著)
登録情報
単行本: 111ページ
出版社: かもがわ出版 (2010/10)
発売日: 2010/10
商品の寸法: 20.8 x 14.6 x 1.2 cm
===
タイトルの「普天間基地はあなたの隣にある」は以下の<はじめに>に述べられていることにもつながる。
<はじめに>もし普天間飛行場の海兵ヘリ部隊を国外に移転させることができなら、沖縄と日本にある海兵隊基地にいる多くの海兵隊部隊を、海兵隊の陸と空の一体運用という論拠を梃子にして、国外に移設させる道が開けるということです。
また、「だから一緒になくしたい」は同じく<はじめに>の以下の部分を読むとその気持ちがよく伝わってきます。いや、それは互いにつながっています。
これまで、日本国民は、米軍基地問題は解決できないものと思わされてきました。
日米安保条約を絶対視する政治が続いてきたのですから、仕方がないかもしれません。
でも、だからこそ、普天間飛行場問題を解決することができたら、国民の中に確信が生まれ、さらにもう一つ、次にはもっと大きな問題をと、国民のたたかいが広がっていくのではないでしょうか。
=======
沖縄の米軍基地は、冷戦の遺物どころか第二次世界対戦の遺物であり沖縄戦のさなかに住民の土地を勝手に取り上げたりその後の占領時代に米軍の布告や布令で住民の土地を取り上げて建設した基地であり国際法にも違反し沖縄県民の権利を著しく侵害している。P78
以下、目次を拾ってみただけでも、著者の問題意識の鋭さになるほどと納得させられます。
普天間基地世界でいちばん危険な基地である。
辺野古は普天間代替基地ではないP70
グアム移転は、米新戦略に合致しているP61
海兵隊はどこに置いてもいい部隊61
米本土の方が活動は制約されないP62
「抑止力」は県民を納得させない
アメリカでも海兵隊撤退論が浮上95
連邦議会でも不要論が98
グアムにいけば抑止力が強化される91
対テロ戦の中にあるグアム移転93
普大間跡地利用こそ振興のエンジン
106
国と県が真剣ならアメリカは変わる81
無条件返還へ、いまががんばりどころ85
P74
日米両国政府は、これまで、辺野古における基地の建設がなければ、グアムにも移転しないと脅してきました。
しかし、自民党政権時代にも進まなかった辺野古への基地建設を、沖縄県民が一致して反対する中で、民主党政権ができるわけありません。
このことは逆に、グアムを重視するアメリカの思惑にとって、大きな障害となります。
辺野古建設が進まなければ、グアムへの移転もできないと声高に主張するゲーツ米国務長官のように、辺野古とグアムをセットにするやり方では、アメリカがのぞむグアムにおける大規模な基地建設は実現しないことになります。
辺野古の新基地建設は絶対に進まないのですから。
グアムでの基地建設がストップしたら、一番困るのは新しい戦略を進めようとしているアメリカ自身なのです。ですから、辺野古とグアムをセットですすめるという日米両国政府のやり方は、いま、沖縄県民の一致した県内移設反対の前で立ち往生しており、重大な岐路に立たされています。だから私は、いまが絶好の機会だと思います。
P23⇔普天開基地は戦後日本政治の縮図
====
これを読んで、沖縄は、もっと独自に直接米政府や米国民に訴える行動に出てもいいのではないかと思った。
知事3月めどに訪米 普天間問題、直接訴え
2010年12月29日 琉球新報
沖縄戦で日本軍より、アメリカ軍のほうが親切だったという証言を思い出した。
日本の戦後民主主義とは?日本国民とは?と考えさせらる。
無関心ではいけない。
キング牧師「後世に残るこの世界最大の悲劇は、悪しき人の暴言や暴力ではなく、善意の人の沈黙と無関心だ」
マザー・テレサ「 愛の反対は、憎しみではなく、無関心です」
普天間基地はあなたの隣にある。だから一緒になくしたい。 価格:¥ 1,050(税込) 発売日:2010-10 |