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『映画が語る昭和史』  いつもヒロインたちがいた [単行本

2011年08月30日 | 本と雑誌

110830_book_eiga_syowa_1_2 映画が語る昭和史  いつもヒロインたちがいた [単行本(ソフトカバー)]
 
川西 玲子 (著)

amazon 内容紹介
だれもがヒロインだった生きた、愛した、戦った
苦しかったあの頃、楽しかったあの頃が蘇る。
昭和を描いた素晴らしい映画をもう一度!

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↑ このamazonの内容紹介は本書の内容を適切には表してはいない。(表紙もそうかも知れない)おなじamazonの「著者からのコメント」をお読み下さい。↓

読む前は、こんな軽い気持ちで読み始めたのですが、単なる映画ガイドではなくタイトル通り重厚といっても良いほどの昭和史である。女性の立場からの著者の歴史感や映画に対する観かたなどが随所で直言され、新鮮だった。スクリーンを飾ったヒロインの華やかな恋の話(じつはそんな映画は少ない)の背後にも戦前戦中戦後を通して悲惨を味わった女性たちや被差別者たちの歴史も映画ならではの形で浮き彫りになる。また映画に語られていない事柄も、語られなかったこと自体も意味をもってくる。これは歴史に対する幅広い知識がないとかけない。戦争の被害者であったと同時に加害者でもあった庶民(これはいまや死語か)の姿。自覚のなさを攻めるだけでなくその原因も映画の中に見出し、これからのことにも著者は意見を述べている。映画の作品に対する批評や映画業界の現状などについても述べられれいて読み応え充分だった。著者の母の時代に対する生の意見もところどころにあって光っていた。

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登録情報
単行本(ソフトカバー): 344ページ
出版社: 武田ランダムハウスジャパン (2008/8/7)

発売日: 2008/8/7
商品の寸法: 21 x 15 x 3 cm
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amazonより

著者からのコメント
 「昭和」という時代は、まっすぐに「今」とつながっています。癒しや郷愁の対象ではありません。例えば格差問題は、昭和の初めからずっと社会の中心的テーマでした。この「今に続く昭和」を、映画というわかりやすいメディアを通して体感すること。それが、この本を書いた目的の一つです。名前は知っているがなかなか観る機会のない黒澤明の名作から、知られざる佳作まで、昭和の映画をたくさん取り上げています。一家に一冊、御家族で是非どうぞ。
カバーの折り返し
だれもがヒロインだった
苦しかったあの頃、楽しかったあの時代が甦る。
昭和を描いた、素晴らしい映画をもう一度!

著者について
川西玲子
1954年生まれ。1980年中央大学大学院法学研究科修了。政治学修士。
30歳を過ぎてから仕事を開始するも子育てとの両立が難しく、疲れて退職。
なりゆきでフリーランスに。様々な仕事を経て、今は東京学芸大学非常勤講師。
10歳のときにイタリア映画「自転車泥棒」を観て、人生の理不尽さと映画に目覚める。
水曜日のレディースデーと、毎月一日の映画の日ははずさない。
趣味は文化全般、特技は500円以下でおいしいものを食べること。
スノッブと冷笑主義と高慢な論理が嫌い。モットー質実剛健。
柴犬を飼っている。JCLU(社)自由人権協会理事。
著書に『歴史を知ればもっと面白い韓国映画』(ランダムハウス講談社)、
『学校という場で人はどう生きているのか』(共著、北大路書房)など。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

映画が語る昭和史 いつもヒロインたちがいた 映画が語る昭和史 いつもヒロインたちがいた
価格:¥ 2,310(税込)
発売日:2008-08-07