飛鳥川の畔まで棚田の上のほうから降りてきました。
ぐるりと回ったので、車を置いたのは、もっと向こうに見えていますので、今日の運動だと思いながら、県道を目指して歩きました。
もうすぐ県道に出るというところで、赤いタチアオイの群れを見ました。
子供の頃、母と田舎道を歩いた時、「この花が、一番上まで咲いたら、梅雨があけるんやで。」
タチアオイの花については、その後同じことを何度も、だれかれとなく聴きましたが、最初に小さい私にそう話してくれた母も、梅雨のじめじめから、開放される日が待ち遠しかったのだとタチアオイを見ると、母を思い出します。
それ以来タチアオイが咲いていますと、花が上まで咲いているのかとつい見上げている私です。
最近は、梅雨明けに関係なく花が上まで咲いているのを、見かけるようになりましたが、明日香で見た赤いタチアオイは、まだ上まで咲いていないので、季節の感覚を忠実に護っているようないじらしさを感じました。
タチアオイは平安時代に日本にはあったようです。
源氏物語の柏木の巻きに、「くやしくぞ つみをかしける あふひ草 袖のゆるせる かざしならぬに」こんな和歌が詠まれています。
別名もいろいろあって、 「葵」「花葵」(はなあおい「梅雨葵」(つゆあおい)「唐葵」(からあおい)と、多くの人に親しまれてきた花なのでしょう。
花より団子、お腹が空きましたので、石舞台の夢茶屋で簡単ランチは、古代米のおにぎりと串コンニャクにしました。
結構お腹が一杯になりました。
外の広場では、何かイベントが行われているようでした。
それをぼんやり見ながら、おにぎりを味わいました。おにぎりに添えてあった生姜の佃煮が美味しくて、お土産に買って帰りました。