2010年を締めくくる名湯に南紀白浜温泉のホテルグリーン・ヒルを掲げる。
このホテル露天風呂からの景観は今年入湯した露天風呂の中では景観が随一。
眼下、朝日に輝く白良海岸。遠く太平洋の大海原。南紀の複雑な入り江景勝
【Data】食塩泉 78.6℃ PH7.9 源泉:行幸源泉
・・・本年も又、湯三昧の実りある一年であった。
SAYONARA! NIPPON ! 2010YEAR !
後日:ホテルグリーン・ヒルは2017年4月からインフィニート ホテル&スパ
南紀白浜となり、リブランドオープンした。
熊野古道を更に三重県側に道路を辿ると出逢う温泉。深い山合いに湧く温泉は
東北の普段着の温泉なみ。湯治客、地元民で温泉時間が感じられる名湯なのだ。
【Data】含塩化土塁ー食塩泉 45.7℃ PH8.0 源泉:新湯の口温泉
Memoirにしにほんの湯・ 環湯(湯之峰温泉) 2010.11.6
世界歴史遺産熊野古道の海側の麓にある温泉。謂わば霊山の
入山基地、もしくは清めの湯処である。今般は旅館あづまやの
民宿部門にお世話になったがお湯は旅館部環湯を利用できた。
【Data】含硫黄・食塩ー重曹泉 92.5℃ PH7.6 源泉:環湯
参考:本物の名湯ベスト100‐3湯の峰温泉(講談社現代新書:石川理夫著)
学術:日本温泉地域文化資産NO.89 「つぼ湯」と「湯筒」(日本温泉地域学会編)
映像:有馬温泉を代表・象徴する源泉井戸。天神神社境内にある
関西の湯処と謂えばやはり、有馬温泉。京都を旅して宿は有馬温泉
が、温泉通の京旅といって良いだろう。実際、太閤秀吉は京都から
ねねと一緒に有馬まで何回も足を伸ばしている。此処は太閤の湯処。
【Data】含鉄ー食塩泉 98.2℃ PH5.89 毎分28㍑ 源泉:天神泉源
参考:本物の名湯ベスト100‐11 有馬温泉(講談社現代新書:石川理夫著)
学術:日本温泉地域自然資産No.83:歴史的源泉(日本温泉地域学会編)
解説:鉄分を含み、空気に触れると酸化する。太閤秀吉は「金の湯」
と呼び好んだ。このことから含鉄の湯は黄金の湯とも呼ばれる。
参照:北の黄金の湯=黄金崎不老ふ死温泉
南の黄金の湯=筌ノ口温泉共同浴場
東の黄金の湯=渋温泉大湯共同浴場
影像:浴槽は変形楕円、透き通った湯面が波打って澄明と湯量の豊富さが観察される。
映像:温泉会館の男子浴室(by公式HP)
美又温泉は、浜田市の東およそ15km、金城町の北東部に位置し、江の川の支流、美又川の河畔に開けた山峡に囲まれた温泉郷。歴史は比較的新しく、開湯は明治初期とされる。国民保養センターは、昭和44年に開設の公共温泉施設(平成12年1月全面改装)。新劇の創始者島村抱月、チベット探検の哲学者能海寛などを輩出。湯量も多く、アルカリ性の湯質は「美人湯」として人気、明治、大正、昭和にかけて美又温泉郷として大いに発展、今は鄙びた温泉地としてその面影を残す。
島根県は近畿・中国の中で温泉大県、玉造、湯の川、湯泉津、三瓶、有福、そして美又温泉郷は湯量、湯温ともこの地域にあって温泉天国と呼ぶに相応しい、何よりも温泉郷としての情感が漂う様はこれからも、存続・保存したいものだ。
【Data】単純温泉 41.6℃、PH9.5 ラドン含有 源泉:美又温泉
三瓶山南麓時たま崖崩れで通れなくなる渓流沿いの道を進むと突き当たりに
ひっそり秘湯。療養泉としても知られる。35度前後の湯壷は底から炭酸泉が
身体にまとわり付くように湧出。浴感は肘折石抱温泉に似る。温まりの用の
五右衛門風呂(男女兼用)はカーテンで仕切られている。一人用だから交互浴。
【Data】含炭酸・重曹-食塩泉 34.5℃ PH6.6 源泉:千原温泉
映像:有馬本温泉の名物・名湯「金の湯」の湯殿湯景観:2007.2.12 (映像by公式HP)
有馬温泉の代表的名泉、鉄泉を容易に楽しめる公衆浴場。もちろん宿泊して工夫を凝らした内湯も趣があるが、神戸から30分余りで名湯を味わうとなるとこの公衆浴場。近くには『銀の湯』という公衆浴場も有りセットで入るとお得である。日帰りでもよし、宿泊でもよし、東北の野趣こそ無いが、洗練された泉質、伝統の湯もまた素晴らしい。
【Data】含食塩-炭酸鉄泉 89.3℃ PH6.05 源泉:天神泉源と有明泉源1号泉・2号泉混合泉
参照#金の湯とペアで味わいたい有馬温泉公衆浴場「銀の湯」
丹後半島を回りきると温泉がある。久美浜温泉だ。京都府で1、2の湯量
豊富を誇る、源泉掛け流しが魅力。「湯元」と称する通り、名物の大きな
露天風呂には、豊富な2つの源泉を混合して注いで適温に下げて提供する。
露天風呂の片隅に、久美浜温泉の創始者で、大阪の「くいだおれ」の初代
社長・山田六郎氏の銅像が立っている。一帯には温泉が数多く湧出し、平
成8年に国民保養温泉地に指定されて、周辺には名湯「木津温泉」がある。
【Data】 下記①②混合泉
①含石膏・芒硝-食塩泉 51.2℃ PH8.7 源泉:久美浜温泉第一源泉
②含塩化土類ー食塩泉 32.0℃ PH7.97 源泉:久美浜温泉第二源泉
日本三大美人の湯(群馬県の「川中温泉」、島根県の「湯の川温泉」、和歌山県「龍神
温泉」。泉質は順に「石膏泉」、「単純温泉」、「重曹泉」と異なるが、いずれも弱アル
カリ性であり、ナトリウムイオンとカルシウムイオンを含んでいるという共通点がある。
【Data】重曹泉 43.3℃ pH7.8 源泉:龍神温泉&ボーリング泉の混合
美人の湯とは:皮膚表面上で皮脂のカルボン酸がナトリウムイオン、カルシウムイオン
と反応して、カルボン酸ナトリウム、カルシウム塩が形成される。カルボン酸ナ
トリウムは界面活性剤で、いわゆる「石鹸」。その働きは皮膚にしみ込んで汚れ
をはがし、乳化する。又、カルシウム塩には「ベビーパウダー」のような作用が
あるため湯上り後に「肌しっとり」「すべすべ」した感じになるという訳である。
筆者、今回の温泉探査目的の一つはこの美人の湯「龍神温泉」の入湯であった。流石に
知名度の高い事もあり、混雑、この混み具合では循環でも仕方ない。お湯を味わう処で
ない。泉質さえ同じなら日本には「美人の湯」はいたるところにある。ただ、古来の美
人の湯にこだわるから此処へ来るのだ。これでとりあえず三大美人の湯の2つに入湯
白浜温泉は日本三古湯(白浜、有馬、道後)に、また三大温泉地(熱海、白浜、別府)
に数えられる名湯。飛鳥、奈良の時代から「牟婁の温湯」「紀の温湯」の名で知ら
れ、斉明、天智、持統、文武天皇をはじめ多くの宮人達が入湯来泉した1300年余
りの歴湯。字の如く、白い砂浜が眼前に拡がる。 ご覧の湯は白浜を望む公共の湯。
【Data】含塩化土類ー食塩泉 67℃ PH7.1 源泉:生絹(すずし)の湯