映像:優れた源泉力に同行した温泉評論家もゆっくりと味わうほどであった。
長命館のふたつの源泉のうちの一つ。こちらもクオリティが高い。亀の湯は
加温循環であるが強烈なイメージ。鶴の湯は掛け流しで十分秘湯感漂う浴感。
この二源泉の長命館の温泉力は「半端ない!」。名残り惜しい入浴であった。
【DATA】単純温泉 38.5 ℃ pH9.12 源泉:鶴の湯(1,005湯目2018.5.27)
熊本県北部に位置する秘湯。2018年九州温泉探査紀行で感動した温泉の一つである。
大正3(1914)年創業の長命館は歴史ある和風温泉旅館で2種類の温泉「赤湯」「白
(しろ)湯」。とくに赤湯は鉄分とラドン成分を多く含む「亀の湯・赤湯」の療養泉。
【Data】単純炭酸鉄泉 14.7℃ PH7.1 鉄味 自噴 源泉名:亀の湯(1004湯目)
感想:加温循環だが、敢えて名湯に分類したのは熊本県北部ではこのくらいの赤湯
は珍しく、加温循環とは思えない湯造り、何処まで源泉を見せるかの期待値。
植木温泉平山旅館を5時に抜け出してここ宝田温泉が三湯目。早くも先客がいた。
壁に大きく「およがないでください」と掲示された露天風呂は最高に気持ちいい。
最も湯心地の良い露天風呂体験。まるで歓迎する様に気泡が身体にまとわり付く。
【DATA】重曹泉 42.6℃ pH7.35 源泉:宝田温泉(1003湯目 2018.5.27)
浴感:大量の源泉投入、微硫黄臭、微濁、奥の源泉水風呂、ひろ ~ い湯船。リラ
ックスゾーンの湯温(40℃前後)なにもかも筆者が求める秘湯・地域湯だ。
そして何よりも大切な気泡の絡みと重曹泉がもたらす美肌効果・・・温泉万歳!!
記録:平成11年4月から12年3月までにNHK「ふだん着の温泉(続ふだん着の温泉)」
で全国放映された。当時は、村の皆が費用を出し合った宝田温泉共同浴場と
して紹介された。近くに西郷どんが戦った西南戦争古戦場『田原坂』がある。
参照:NHK「ふだん着の温泉」の放映第一号が青森県下北半島下風呂温泉であった。
合志川のほとり、のんびり田園風景に囲まれた日帰り入浴施設。朝6時開業とともに
近隣のお年寄りが軽トラでやって来る。ここらは、熊本市、菊池市が隣接していて
いったりきたりで二番目の朝風呂。ふだん着の温泉の入浴はほっこり時間が過ぎた。
【Data】重曹泉 43.9℃ PH7.3 源泉:辰頭温泉2( 1002湯目:2018.5.27)
浴感:実は映像の右外に岩造りの露天風呂がある。最初気付かなかったが常連さんが
浴室に来て真っ直ぐ向かったのがこの露天風呂。筆者は一番風呂撮影を終った
ので映像がないが実に渋い湯船だ。ここで数時間過ごすというお爺さんが発し
た言葉『・・・あちこち回ったバッテン、ここがヨカーバイ』が印象的であった。
参照#熊本県 温泉地 データ・ベース
なんて楽しい温泉館だろう。なんて混んでる温泉館だろう。筑後市が運営する
筑後広域公園内にある温泉。公園は勿論、物産館も併設なので人でごった返す。
公共はお粗末な湯管理が多いがここは違う。生源泉に入れるよう工夫している。
【Data】含土類‐重曹泉 33.8℃ pH7.0 源泉:筑後船小屋温泉(997湯目2018.5.26)
浴感:映像岩風呂の上、塀のすぐ下が最高の入り心地。しかし、二人も入れば
満杯。また、極ぬるなので、なかなか上がらない。筆者は下の広い所で
我慢。ここは灼熱の九州の夏が楽しくなる様なぬる~い源泉天国だった。
参照:同じく公設運営で似たような湯景観・賑わいの長野県長野市「松代荘」
福岡県筑後川沿いの三名湯の内の一つ吉井温泉。そのユニークな浴室は一瞬銭湯
壁画を想起させるが温泉は紛れもなく名湯だ。マグネシウムイオンが多いので鉱
物色を呈す。筆者はこの様な重曹泉が大好きだ。東鳴子の味噌汁の湯を思い出す。
【Data】重曹泉 46.1℃ PH6.54 源泉:吉井温泉(993湯:2018.5.26)
参照#味噌汁の湯(宮城県東鳴子温泉 まるみや旅館 )
名湯の里原鶴温泉の代表的な温泉を味わう。建物、管理、おもてなし全てが行き届いて
いる。ホテルの4階Hinoki(檜の露天風呂)からの筑後川の眺めは絶景であった。温泉
評論家が監修したHPに「・・・源泉ならではの湯の香・・・本物の温泉・・・」と記載されていた。
(原鶴温泉郷は筆者二回目の訪問)
【Data】単純硫黄泉 58℃ PH8.7 200L/ⅿin(動力) 源泉:原鶴温泉六峰の湯
ラドン8.6×10-10 Cⅰ/kg (2.3M・E) 微硫黄臭
参考:本物の名湯ベスト100-98 原鶴・筑後川温泉(石川理夫著:講談社現代新書)
いよいよ九州温泉探査の始まりだ。博多空港でレンタカーに乗り換えて
福岡都市高速~九州自動車~大分自動車道杷木ICを降りて、さっそく
筑後川沿いに湧出する絶品湯の虹の宿ホテル花景色(虹の湯)を味わう。
【Data】単純温泉(アルカリ性) 42.5℃ PH9.1 源泉:虹の湯 (992湯目:2018.5.26)
記録:虹の宿ホテル花景色には本館と別館(大露天風呂・家族風呂)が
あるが、当館オーナーの案内で豊富な湯量の大露天風呂を味わう。
参考:本物の名湯ベスト100-98 原鶴・筑後川温泉(石川理夫著:講談社現代新書)
映像:雲仙温泉の宿泊先「ゆやど雲仙新湯」の湯殿(絹笠の湯)景観
雲仙温泉での宿泊先でゆっくり味わった湯殿。三泊四日の過密スケジュール
の中やっと自分の体を癒すことができた。雲仙の恵みを肌から感じとる瞬間
この調査・研究旅行を計画したことへの満足感がわきおこる。温泉万歳だ
【Data】含明礬ー緑番線{アルミニウムー硫酸塩泉(酸性)} 88℃ PH2.2
源泉:(株)新湯ホテル 知覚:乳白色 蛋白石濁 酸味 硫化水素臭
(2015 日本温泉地域学会 春季大会 温泉探査紀行 完)
映像:小浜温泉街の入口に位置する市営の共同浴場は強烈湯船だ
雲仙温泉を海岸方向に直下すると小浜温泉である。この温泉地と
青森県浅虫温泉は実に景観が似てる。どちらも湾岸沿いの温泉地
【Data】食塩泉(強) 99.5℃ PH8.4 源泉:小浜温泉
浴感:昔の印象だが浅虫温泉はその後衰退したが小浜温泉は賑や
かになり、日本一の足湯ができた。自治体の温泉力の違い。
しかし、小浜温泉の強い食塩泉には改めて驚かされる。こ
の半端ない熱量・湯量に悩殺される浴後感は何十年振りだ。
温泉神社の向かいにある老舗旅館を訪ねた。湯殿には、雲仙の名湯が満ちていた。
旅は心と体を開放して、名湯は明日の活力を生む。いつか、あのとき、同じ湯感。
【Data】緑番線(含硫黄ーアルミニウムー硫酸塩泉) 48℃ PH2.8 源泉:雲仙温泉峰の湯
雲仙共同浴場はしご湯の二番目に入湯「新湯温泉館」だ。ここも
地元の人に親しまれている浴場。目の前に源泉である雲仙地獄が
ある。ゆっくりと湯に浸かり、南国の「普段着の温泉」を味わう。
【Data】含硫黄-単純酸性温泉(含硫黄:微白色・硫黄臭・酸味)
51.2℃ PH2.4 源泉:雲仙温泉
映像:有明海一望の浴室、施設正面は悲劇の天草四郎原城祉
島原半島の名湯と言えば雲仙、小浜、島原しか浮かばないが
ここ原城温泉は隠れた名湯と言えるだろう。ロケーションと
歴史的悲話で、これほどの観光資源を抱えた温泉地も珍しい
【Data】重曹泉 31.9℃ PH7.8 源泉:原城温泉センター
映像:水郷の水路をどんこ舟が行き交うのを、浴室から観察できる素晴らしい景観だ
(柳川かんぽの宿:柳川市弥四郎町10-1)
今回柳川市のミッションはある温泉評論家の勧めで実現。最終目的地の雲仙温泉とは
余りにも距離が離れすぎて思いつかなかった、しかしI氏の一言で来訪を決めた。勿
論、柳川市は遠い憬れの地でもあったから。まさか、名湯の地とは思いもしなかった。
【Data】含食塩-重曹泉 48℃ PH8.2 源泉:第三号・四号混合泉 238ℓ /分(動力)
佐賀県内の温泉は、武雄温泉と嬉野温泉を先に紹介したが勿論これだけではない。その中で
、今回あるミッションが下された温泉地がある。砂湯:鶴霊泉の足元湧出を確認することだ。
【Data】単純温泉(アルカリ性) 36℃ PH9.28 源泉:富士町第二源泉(鶴霊泉)
解説:ミッションを依頼したのは温泉研究家I・T氏、筆者が嬉野温泉に行くよと言ったら
ついでに『鶴霊泉』の足元湧出が本当かどうか調べて欲しいというもの、ここはバス
で現地入り、真直ぐ『鶴霊泉』へ直行だ。古湯温泉郷は小さな鄙びた温泉地だった。
結果:鶴霊泉はご覧の映像の二つの湯船からなっており手前は加温の湯船、奥が源泉掛け流
しとなっている。湯船に砂が敷かれてなるほど霊泉の趣きである。 夏暑い九州では
癒しの湯。源泉は映像でもわかる通り樋から掛け落としだ。足元には小さなパイプに
穴を幾つかあけ湧出を演出。しかし本来の足元湧出とはことなる。温泉研究家諸氏は
どの様に判断するかだ。ぬる~い身体に優しいお湯が好きな方にはここは天国だろう。