東北本線の終着駅が上野駅。新幹線開業前はこのホームに
皆降り立った。そして、山手線で都内の支線に散っていく。
15番線ホームの真ん前に、丸い形状の啄木の歌碑があった。
碑文:『ふるさとの 訛(なまり) なつかし
停車場の
人ごみの中に そを聴きにゆく』 (啄木)
解説:啄木短歌の珠玉の一首である。在京東北人なら一度は
このような気持ちを持っただろう。冬雪のない上野駅に
雪を積んだ列車が滑り込む度に、泣き出したくなる衝動
を覚えたのは筆者も同じだ。いつしか行き交う訛言葉に
同化していく自分の姿が見える。此処は懐かしい心の駅。
(2013 紫陽花紀行 完 )
紫陽花の街鎌倉、スカイツリーの街浅草、今回の紀行は温泉とは
かけ離れているが地域、資源の確認の心は温泉資源の探査と通ず。
私達の日本はこうした素晴らしい地域のコト・モノで溢れている。
旅の最終はやはり上野駅、上野駅には独特な光、音、匂いがある
駅の片隅に歌手井沢八郎が歌った『ああ上野駅』の歌碑があった。
歌碑:一番{作詞:関口義明(雑誌懸賞作品一位)、作曲:新井英一}
『♪ どこかに故郷の香りを乗せて
入る列車のなつかしさ
上野はおいらの心の駅だ
くじけちゃならない 人生が
あの日ここから始まった ♪』
記録:井沢八郎は青森県出身の、当時無名の新人歌手であった。
又、女優工藤夕貴は井沢八郎の長女である。