お湯の国 日本

美しい日本の温泉地中心の旅記録(おんせん鑑定士:監修) 【記事・映像は著作権、人権保護法等により無断使用を禁じます】

種田山頭火 (月澄むほどに) 日奈久温泉 (熊本県)

2024年10月04日 |  ✈ 九州・四国紀行.

リニューアル再掲日奈久温泉の情緒的な景観    (2008.05.17  撮影)
筆者が九州で最初に本格的温泉探査をした温泉地の街並を懐かしく再掲する。
この温泉地感動の出逢い、種田山頭火の街起こしの軒先の自由律俳句の短冊
が、橋の欄干に括りつけられた種田山頭火の俳句一節 (左.真ん中.右の短冊)
もうこれらの句の解釈など必要ないだろう。人それぞれに思いのまま鑑句す
るのも自由なのだ。一応、筆者なりの思いや作句の背景を簡単に記す・・・。

Ⅰ.左の短冊 『 月澄むほどに われとわが影 踏みしめる 』 山頭火

解釈:なんと直情・情感的な句だろう。ぐんぐん登る月があたりを照らして
   月に浮かぶ自分の影を踏み締める如く、自分の心にも滲み込んで来る

Ⅱ.真ん中柵 『 お月様が お地蔵様に お寒くなりました 』 山頭火

解釈:筆者的に万民を照らす月と自愛の地蔵様の二重のぬくもりを寒くなっ
   てきた時候に感じた
山頭火と理解
 
Ⅲ.右の短冊 『 これから旅も 春風の 行けるところまで 』 山頭火

解釈:山口県小郡の仮の宿其中庵から九州へ旅立つときに詠んだ句とされて、
   春風とともに歩く旅への期待が感じられる。時は2月九州は初春なり

(過去の記録:2008.05.17)
吉野ケ里遺跡を探査後、今日の羅針盤を何処に向けようか?限られた時間で
多くの温泉地を辿りたい。しかしそこには感動がなければ無意味だ。温泉が
普通でもそこに地域ならではの物語があるなら脳幹は名湯と感ずる筈・・・。
考えた末、八代市日奈久温泉を目指す。天草諸島、水俣を抱える不知火海は
初夏、同じく海岸沿いの温泉地を抱える小浜温泉(島原半島)は遥か西遠い。

日奈久温泉の泉質は単純温泉(アルカリ性)16の泉源から毎時140トン湧出。
殆んどの旅館が掛け流し。約600年前、刀傷の父の平癒を祈願し、浜田六郎左
衛門が厳島明神のお告げで干潟の岩下から湯を掘り当てたとされる。その後、
熊本藩直営となり八代城主・松井氏や参勤交替途上の島津氏もよく利用した。

共同浴場:市営日奈久温泉センターの老朽化が進み利用客も低迷していた事
から、八代市は明治時代の観光施設であった「本湯」を模して和風の新施設
を同地に建設中。2009年3月末完成予定。(筆者が訪問の時は更地であった)

参照#① 種田山頭火(放浪の俳人) 探訪紀行 ②熊本県温泉地 データ・ベース

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