分解中のVWゴルフトゥーラン
かってエンジンのカム駆動にタイミングチェーンを捨て、コッグドベルト方式が主流となったのが50年も昔の
ことでした。
このベルトに纏わるトラブルは初期に多数有り、最悪バルブクラッシュと言うお財布に優しくない事例が散見され
ました。
何で、チェーンを捨て切れる(駒飛び)ベルトにしたんやネンと人々は設計者を恨んだものでした。
昨今のベルトからチェーンへの復帰に関係者は喜びました。
大枚払っての定期交換は不要だし、ユーザーにとっても喜ぶべきことでした。
しかし、このチェーンへの復帰が、過去のベルト化のような轍を踏んでるのです。
しかも、チェーン交換は、ベルトよりも数段お財布に優しくありませんから。
スーパーチャージャーやタービンで面倒なバラシ作業(TSIエンジン)
下りたシンリンダーヘッド
圧縮不足のNO1シリンダー
エンジンチェックランプが点灯しても、好調だからと言って乗り続けると、バルブが干渉してかのような
事態になるようです。
原因は、例のチェーンの伸びに起因しますから、ここまで被害が甚大になると、チェーン化よりもベルトが
恨めしくなるものです。
事実は、最新のVWエンジンはチェーンから再度ベルト方式に変更したそうですからネ!
。
十分なテストもしないで市場に送り出したメーカーの責任は問われるべきですが、昨今に始まったことでは
ないでしょう。
バルタイ調整の図
やや専門的になりますが、正規のバルブタイミングを測定するには各社方式が異なるようです。
このゴルフエンジンでは、専用のSSTが必要で、カムタイミングはフリーな方式です。
BMWなんかも同じくこの方式でSSTを必要とします。
アルファ159&ブレラのバルタイ合わせ
既に経験済みですが、こちらはカムフリーではなくノックピン方式で、位置決めが決まっております。
SST自体も存在せずに、チェーンとスプロケの合わせマークが命です。
正直なところ見づらいのが難点で、自社でも間違って合わせた苦い経験がありました
。
大事に至らなかったのが救いでしたが、慎重に合わせる必要があります。
せっかくのチェーン化も、コストダウンに軽量化の為か、シングルのサイレントチェーンなる安物?が
足を引っ張ってような気がします。
3,000km以内にオイル交換しないと必ずチェーンが伸びて二次災害が起きるというプロも居ます。
被害はコッグドベルト損傷によるバルブクラッシュよりは救われるかもしれませんが如何なものかと
思います。
たぶんメーカーさんも悩んでることが想像に難くありません。
理想は伸びない無交換のチェーン化だと思いますが、デュアルチェーンならコストアップとエンジン本体の
肥大化?は避けられないでしょう。
現在が、チェーン復帰への過渡期なのか、はたまたコッグドベルトに戻るのかは興味深いと思います。